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MASTER GEAR 〜転生すると伝説のエースパイロット!?〜
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モニターに映っているドラゴンの姿をした戦艦「リンドブルム」だった。
「……も、もしここがリンドブルムの中だとしたら、僕はマスターギアの世界に転生したのか?」
ハジメも携帯やネットの小説で一度死んだ人間が異世界に転生して活躍するいわゆる「転生系」小説を読んだことはある。だがしかしそれが自分の身に起こるとは夢にも思わなかった。
「でも本当に転生系な展開だったら、今の状況も色々と説明がつくんだよな。……この部屋も、今の僕の姿も見覚えがあるはずだよ」
最初にこの部屋を見て見覚えがあると思ったがそれは当然のことだ。何故ならこの部屋と今のハジメの姿は、彼が自分で設定した宇宙戦艦リンドブルムのブリッジとプレイヤーキャラクターの姿だったからだ。
「……………………待てよ!? この世界がマスターギアの世界で、ここがリンドブルムの中だったら、『アレ』もあるはずだよね?」
考えている最中にあることに思い当たったハジメは辺りを見回して何かを探しだす。その顔は今までの困惑と不安で暗く沈んでいたものとは全く真逆の、期待と興奮で輝いていた。
ハジメは先程まで見ていた窓の真正面の壁に「1」と数字が書かれた出入口を見つけると、ハジメはその出入口に向かって走り出す。
「多分あれが『第一格納庫』への入口!」
カシュ。
出入口の扉が軽い音をたてて開き、ハジメが扉をくぐって向こう側、第一格納庫に足を踏み入れると格納庫の中にあった「それ」は静かに主の来訪を歓迎した。
ゲームのマスターギアではプレイヤーの乗機、戦艦のマスターユニットであるマスターギアは、第一格納庫と呼ばれるブリッジのすぐ近くにある専用の格納庫に格納されている設定だった。そしてリンドブルムの第一格納庫にはゲームの設定通り、リンドブルムのマスターユニットでありハジメの乗機であるマスターギアの姿があった。
「あった……。本当にあった」
興奮で頬をわずかに赤くしながらハジメは、リンドブルム同様にゲームで造り出した自分だけのマスターギアを見上げる。
ハジメの視線の先にあったのは深緑の装甲を全身に纏った全長二十メートルほどの鋼鉄の巨人。
背中に翼を背負い、両手で自身の背丈ほどある巨大なライフルを抱えるように持ち、人間と同じ二つのカメラアイで虚空を見つめる巨人の名前をハジメはそっと呟いた。
「……『サイクロプス』」
それがゲームの中でハジメと共に戦場を駆け、いくつもの死線を潜り抜けてきた巨大な戦友の名前だった。
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