第二十九話「……インストール♪ アンインストール♪ ――え、だめこれ?」
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眩い光が治まったとき、校庭の中央には青白い重厚なオーラを放つ一本の聖剣が浮遊していた。
「エクスカリバーが一本になったことで下の術式も完成した。クックック、早くコカビエルを倒さないと街が吹き飛ぶぞ? 起動まで二十分といったところだな」
「なっ……!」
衝撃的な事実を口にするハルパー。あと二十分で、この街が吹き飛ぶ!?
部長たちもあまりのないように絶句しているようだった。
マジかよ! サーゼクス様たちが来るまで持ちこたえるとか悠長なこと言ってられないじゃんか! 魔王様が化成しに来たときにはこの街吹き飛んでるって!
なんとしても、早急にコカビエルを倒さないと!
「イングリッド」
「……?」
「陣の聖剣を使え。最後の余興だ。四本の力を得たエクスカリバーで戦ってみせろ」
こくんと頷くフードを被った男。
人の中央まで歩み寄った男は浮遊する聖剣の柄を掴んだ。
「リアス・グレモリーの『騎士』、共同戦線がまだ生きているのならば、あのエクスカリバーを共に破壊しないか?」
ゼノヴィアが木場に話しかける。
「いいのかい?」
「こちらは問題ない。最悪、エクスカリバーの核を回収さえ出来ればそれでいい。もはやあれは聖剣ではない。異形の剣だ」
「異形か。クックックッ……いい得て妙だな」
二人のやり取りを笑いながら見ているハルパー。
「ハルパー・ガリレイ。僕は『聖剣計画』の生き残りだ。いや、正確にはあなたに殺された身だ。悪魔に転生したことで生き長らえた」
「ほう、あの計画の生き残りか。これは数奇なものだ。こんな極東の島で出会うとは運命を感じるな。クックックッ」
相変わらずの小ばかにしたような笑い方。瞳に憎悪の炎をともしている木場のこめかみに青筋が浮かぶぞ。
「私はな、聖剣が好きなのだよ。自分に適性がないと知ってなお、聖剣の探求にすべてを費やすほどにな。聖剣が扱えない身だからこそ、扱える者に惹かれた。その思いが高まった今、こうして人工的に聖剣を扱える者を創りした。そして、研究はついに完成を迎えた」
「完成? 僕たちを失敗作と断じて処分したじゃないか」
眉を上げて怪訝な顔でハルパーを見やる木場。部長の話では木場たちの研究は失敗だと言い渡され問答無用で処分を受けたと聞いていた。用済みだから処分したんじゃないのか?
「そう。失敗作の君たちがいたからこそ成功したのだ。失敗は成功の元とはよく言ったものだ。君たちのおかげで『因子だけを抽出し集めることはできないか?』という画期的な案を考案するに至ったのだからな」
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