第二十九話「……インストール♪ アンインストール♪ ――え、だめこれ?」
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けられた歯車が回転し始めた。緩慢に回転していた歯車はやがて速度を上げて高速回転し、キィィィ―――ンッ、という甲高い音を響かせながら火花を散らした。
俺の気配に気が付いたケルベロスがこちらを振り向こうとするが、もう遅い。
「さっきのお返しじゃぁぁぁ!」
大きく振りかぶった拳を思いっきりその横腹に叩きつけた。高速回転していた歯車が楯の上を滑り降ち、ガチンッと重い音を立てる。
『Over drive!!』
拳から無形の波動が犬っころに伝わり――黒い毛並みを持つ巨体が爆ぜた。
「うぉっ!」
効果は知っていたがまさか爆散すると思わなかった俺は思わず跳び退く。
急にケルベロスが爆散して驚いていた部長たちは俺の姿を認めると目を見開いた。
「イッセー! 無事なの!?」
「え、ええ……なんとか生きてます」
「そう、よかったわ……。ところで、今のはイッセーが?」
「はい。ここに来て新たな力が目覚めたようで」
ブーステッドギアの第三の力は『振動』。歯車の回転によって発生する振動を溜めて増幅させ、相手に叩きつけると同時に振動そのものを倍加させる。
今回、ケルベロスが爆散したのは体内の水分が振動によって蒸発したためのようだ。急激に蒸発したため膨大な容積に耐えきれず身体が四散したとのことだ。
原理は分かったけど……危なっかしくて使えないよコレ! レーティングゲームでも封印指定ものの技でしょ!
「すごい威力ね……」
「でも使い道が難しいですわね」
「……要検討」
取りあえず俺が無事だったのに対し安堵の吐息を零す三人。
「ほう、このくらいは退ける力を持つか。だが、私のペットはまだまだいるぞ?」
上空で足を組みながら観戦していたコカビエルが指を鳴らすと、再び虚空に穴が開いた。
「まで出てくんのかよ!」
再び現れる犬っころ。その数は二匹。
こいつはちょっと厳しいぞ……気合入れて行かないと!
咆哮を上げて飛び掛かってくる犬っころ。しかし、刹那のうちにそのそっ首が斬り落とされた。
誰だ……木場か――?
しかし、切り落とした本人はイケメン野郎ではなく、長剣を携えた少女――ゼノヴィアだった。
「加勢しに来たぞ」
首をはねられ絶叫しているケルベロスの残った首を分断するゼノヴィア。
「無へ還れ、地獄の魔犬」
返す刀で胴体を分断した。あんな巨体をいとも容易く……聖剣の効果か。
だが、これで犬っころは後一匹。またまた新技でキメるぜ!
【活き込んでいる
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