第四十二話
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第四十二話 授業の間は
華奈子の集中力はかなりのものだ、集中力において六人の中で随一で一旦集中すればもうそれに専念する。
周りも目に入らない、だがその華奈子に美奈子があえて言う。
「集中するのもいいけれど」
「最近よくそう言うわね」
「ええ、もっと周りも見てね」
集中する間もだというのだ。
「そうしないと危ないから」
「周りに何があるかわからないからよね」
「そうなの、だからね」
パーティー前の授業の間のやり取りだ、美奈子は華奈子にこう話すのだ。
「もっと周りを見てね。あとね」
「あとって?」
「何かする時、周りを見ながらね」
そうしながらだというのだ。
「声もかけてね」
「声もなの」
「そう、皆に声をかけてね」
こう双子の相方にアドバイスする。
「華奈子って集中したら言葉出さないでしょ」
「ううん、そういえば」
「それって一人でやっている時はいいけれど」
「皆でやる時はなのね」
「そう、周りに声をかけてね」
「ライブの時とかもよね」
クラウンでのライブ活動の時もだ、確かに華奈子の集中力は凄いがそれで周りが見えなくなり声をかけなくなる時があるからなのだ。
美奈子は真剣にこう言うのだ。
「そう、その時もよ」
「そうね、私達のライブって凄い動くし」
特に華奈子はだ、その抜群の運動神経とダンスのキレを活かしてかなり動く。しかもスタミナもあるので余計に凄い。
だが、だ。そのライブの時もだというのだ。
「周り見て声をかけていってね」
「そうね、じゃあ」
「集中してるとそこに何もかもが全部いっていってそれも難しいけれど」
美奈子もその辺りはわかっているのだ、だがそれでもだというのだ。
「そこを気をつけてね」
「そうね、確かにあたしには難しいけれど」
「難しくても出来るから、華奈子ならね」
「あたしならなの」
「そう、出来るから」42
だからだというのだ。
「私もその都度言っていい?」
「御願い、それだと危ないからね」
「ええ、それでね」
二人で話してだった、そうして。
六人で魔法を学んでいった、そうして時を過ごし。
パーティーの時を迎えるのだった、その先輩との顔合わせは六人にとって運命の時になることはまだ誰も知らなかった。
第四十二話 完
2013・5・30
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