無関心
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し」
「だよねー。アレ?なんかこの子泣いてない?」
浴びせられる罵声の数々に中央にいた女の子はついに泣き始めてしまった。
「泣けば済むと思ってるとか超うざいんだけど。ねぇこの子ひん剥いてネットに流しちゃお?」
「いいねーサンセー!アハハハハハハハハ!」
下卑た笑いが響のところまで届いてくる。
「気にいらねぇ……」
そういった響の脳裏に浮かんだのは昔の記憶。まだ二人が小さい頃妹の渉はいじめを受けていたのだ。しかし響は渉を守るため渉をいじめる連中を半殺しにしたことがある。相手の骨は砕け、内臓は破裂した者までいるという。だが相手方も悪いということで響に大きなお咎めはなかった。
以来響はいじめがとことん嫌いになった。影でこそこそとやることが響は気に入らないのだ。真っ向から喧嘩をするならまだしも精神的に相手を叩いていくことなど響にとっては許せることではなかった。
それが今目の前で行われているのだ響に見過ごせるわけがなく響は四人に声をかけた。
「おい。そこのゲス四人」
「は?」
四人の中の誰かが声を上げたが今の響にそんなことはどうでもよかった。
「何あんた?ゲスってあたしたちのこと?」
「それ以外に誰がいる?そんなことまでわからないなんてゲス以下か?」
「あんたいい加減にしないと――――!」
そこまでいったところで一人が黙った。
響が全身から殺気を迸らせていたのだ。あたりにはまるでそこだけ空気が薄くなったかのような感覚がはびこり始めた。
「ったく。IS学園なんてご大層な名前がついてるからこんなこともないんだろうと思ってたけど……。やっぱり何処行っても同じだな」
髪を書き上げながら言う響の声は軽いもののその中には確かな凄みが感じられた。
いじめ女子側はというと先ほどから響の殺気のせいでまったく動けずにいる。いじめられている女の子の方は何が起こったのかわからないといった感じだ。
「なぁ……。それだけその子いじめたんだ。それだけのことを仕返しされる覚悟ってのはできてんだよなぁ?」
「そこまでだ」
響が言い終えたところで後ろから声をかけられた。響が振り向くとそこにいたのは千冬だった。千冬の登場に響の後ろにいる四人が安堵の声を漏らすが千冬が冷徹に告げる。
「お前達四人は生徒指導室行きだ。お前達のことは既に多くの生徒から情報が寄せられている。今更取り繕った所で遅い。場合によっては退学もありうるから覚悟しておけ」
そう告げられた四人は声もなくただ地面に膝をつく。
「趣味が悪いですね」
「そうかもしれんな。だがお前があいつらに声をかけるとは思わなかったぞ」
「別に……ただいじめが嫌いなだけだっての
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