無関心
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に入ってきた。
「あのぉ織斑先生それぐらいで……」
「ああすいません、山田先生授業を切ってしまって」
千冬が謝ると真耶はあたふたとした様子で答える。
「い、いえ!とんでもないです!……それでえっと鳴雨さんはここまででわからないところありますか?」
生徒の響に対しても腰が低い。
……大丈夫なのかこの先生。
「まぁそれなりには理解できてます。わからないとこも多々ありますけど」
「貴様は入学前に配られた資料を読まなかったのか?」
響の答えに千冬がギロリと睨む。その視線たるや小動物ぐらいなら殺せそうな勢いだ。
だが響はそれに臆することなく答える。
「読んでちゃんと理解しましたよ。だけど実際に授業受けてみると難しかったんで寝てました」
それを聞いた千冬は軽めのため息をついた。
「ふぅ。……ならばあとで山田先生に教えてもらえ。山田先生よろしいですか?」
「え!?は、はいもちろんです!一緒にがんばりましょうね鳴雨さん!!」
「……うっす」
響は何か言いたげだったが面倒くさくなったのか頷きながらそう言った。
真耶と千冬もそれで満足したのかそれぞれの位置に戻っていった。
「……やっぱりめんどくさいわこのガッコー」
誰にも聞こえない声で響はつぶやいた。
2限も終わりまた頬杖を着いて外を眺めているとふと高めの声が聞こえた。
見るとそこにいたのは一夏と金髪の少女だった先ほどの高めの声はあの子だったようだ。どうやら少女の方が一夏に突っかかったようだ。するとまた少女の方が大きく言った。
「この私をご存じない!?このセシリア・オルコットを?イギリスの代表候補生にして入試首席のこの私を!?」
……へー。あの子入試首席なのかすげーんだなー。
そう思いながらも響は興味がなさげだ。そして先ほどと同じように外に目を向けるものの未だにキンキンと聞こえる声に響は苛立ちを募らせていった。
だが二人の話はチャイムでさえぎられた。
3限はどうやらクラス代表を決めるらしい。
開始早々一夏が推薦されていたがそこにまたしてもセシリアが突っかかった。
「待ってください!納得いきませんわ!」
先ほどと同じようなヒステリックな声を上げたセシリアを響は一瞥するがセシリアはそれに気付いた様子も無く抗議の声を上げる。
「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります!わたくしは――――」
「織斑が極東の猿なら同じ日本人の私らは雌猿か?」
響が声を荒げながら立ち上がった。その様子にクラス中が一瞬びくつく。だが響は言葉をつなげていく。
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