暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
23話:新たな物語 始まりは襲撃より
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
剣を、力強く握りしめているのを、俺は確認する。

だが……

(なめるなよ!)

こっちだって近距離はお手の物。ただの魔導師に負けるのは、プライドが許さない。
押された事で後ろに下がっていた左足を軸に、素早く右足を反時計回りに移動させる。そして彼女が剣を振り下ろすと同時に、今度は右足を軸に左足を右足と同じように回しながら、体を捻りながら右斜めに剣を振り下ろす。

ガギィイン!
「なっ!?」
「でりぃやぁぁ!」

三度お互いの剣が衝突する。彼女は自分の一撃が防がれた事に驚いてか、声を上げるが、知ったこっちゃない。俺はそのまま剣を振り抜き、彼女の剣を弾く。
隙が見え、一撃与えようと左下から斬り上げる。

決まった、と思った瞬間、目の前にいた彼女の姿は視界から消える。斬り上げられた剣はそのまま何もない場所を切り裂く。

「くっ、どこへ…!?」
〈マスター、上です!〉
「っ!?」

トリスの声に反応して上を見上げると、正しく剣を振り下ろそうと落下している彼女の姿がそこにはあった。
俺はすぐにその一撃を剣で防ぐ。だが、落下のスピードも加わってか、先程よりも重くなった一撃に、少したじろんでしまう。

「ぐっ、このぉぉ!!」
「っ!」

しかしその一撃を、俺は体全体をさらに強化する事で押しのける。
弾かれた彼女は空中で静止し、こちらを見下ろしている。

「はぁ…はぁ…ったく、意外とやるじゃねぇか」
〈敵を褒めてどうするんですか〉
「別にいいだろ?褒めるぐらい」

少し息を整えながらトリスと軽くやり取りする。

「にしてもよぉ……あれ、でかいと思わねぇか?」
〈戦闘中に何考えてるんですか。バカなんですか?〉
「男としては当然の思考だと思うが?」

ふざけてこんな事を言っているが、新たに問題が発生したのもまた事実だ。

それは彼女が空を飛べる事。
ある程度は予想していたが、彼女は空を飛べる魔導師―――確かクロノは空戦魔導師とか言っていたか―――だった。飛行魔法を駆使し、空中での戦闘に長けている魔導士。

飛行能力のないディケイドのまま戦っても、不利なのは目に見えている。

「―――お前は、空を飛べないのか?」
「……え?」

そう思考していると、なんと彼女から声をかけてきた。俺は思わず驚愕の声を漏らす。

「先程までの戦い、非常にいいものだった。ここまで心躍る戦いは、本当に久しぶりだ」
「は、はぁ……」

いきなり語り始めた彼女の表情は、先程までとは違って少し緩んでいた。こっちが素の顔だろうか。いやはや、意外と硬そうな人だと思っていたが、こんな表情もするのか。見かけによらないとは、この事だ。

「だがこちらも、やらねばならない使命がある。こんな状況でなければ、ど
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ