プロローグ
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清々しい空の下多くの女生徒で賑わうIS学園。
そのIS学園の1年1組の教室に一際目立った人物が二人いた。一人は黒髪の少年で先ほどからクラスの女子に興味の眼差しが送られている。少年はそれに耐えられないといった風だ。しかし彼こそ今世界で知らぬ者はいない唯一男でISが扱える織斑一夏その人だ。
そしてもう一人。窓際の列の後ろから二番目の席にいる少女にも多くの視線が送られていた。だがその視線は一夏のような興味のまなざしではなく、畏怖の念が込められているのがわかる。少女はその視線を気にした風もなく外の景色を眺めている。
少女の名は鳴雨響。ブリーチした腰まである金髪はとても目を引くが、本来ならば黒髪だったものを強制的に脱色しているためかなり浮いて見える。
すると響がふとため息混じりに言葉を漏らした。
「はぁ……めんどくせー」
誰にも聞こえないような声でつぶやくと響は机に突っ伏した。
そもそも何故彼女がここにいるかと言うとそれは半年前に遡る。
半年前響は中学で最後となるISの適正審査を受けた。いや、受けさせられたといった方が正しいだろう。本来ならば1年ごとにあるはずの適性検査だったが響はそれを全て「めんどくさいから」と言う理由で全てサボっていた。
だがこの日は違った。この日もいつものようにサボろうとしたが響の妹である鳴雨渉も教師と一緒になって響を捕まえに来たおかげでまんまと捕まったという訳だ。
「だぁーもう!離せっての渉!一人で歩く!!」
「ダメ。こうしてないと姉さん逃げるでしょ?」
渉に腕をがっしりとロックされた状態で喚く響だが、渉はそれを聞く耳持たないといった様子でずんずんと進んでいく。そしてつれて来られたのは検査用のISが鎮座してある教室だった。
「ほら姉さん。早くして」
「……はいはい。そうせかすなってーの」
響は渋々といった様子でISに乗り込むそして起動を開始した。だが起動した直後警告音が鳴り響いた。渉が響の名を叫ぶが警告音に邪魔をされ響には届かない。当の響は焦りを見せずにISに搭乗していた。
いや焦りを見せずにと言うのはいささか語弊がある。焦りが見えないのではなくただ呆然としているだけのようだ。
そして警告音はやがてやむと今度は眩い光があたりを包み込んだ。光がやむと、そこにいたのはISから落下した響だった。
「姉さん!!」
落下した響に駆け寄った渉は響を抱き上げる。その反動で起きたのか響は目を覚ました。
「ん……?何があったんだ渉?」
響がそう問うた瞬間涙目になりながら渉が響に抱きついた。響が目を白黒させる。
「……よかった姉さん。怪我とかないみたいで」
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