暁 〜小説投稿サイト〜
銀色の魔法少女
第七話 友達
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
side ALL

 アリサからメールを受け取った日の翌日の昼、つまりは約束の時間になのはたちは屋上にいた。

「アリサちゃん、本当に大丈夫なの?」

 不安そうになのはが尋ねる。

「大丈夫よ! 私が昨日あれだけ念を押したんだから絶対に来る、と思う」

 途中までは自信があったアリサだったが、そう言われると不安になる。

「まあ、いざとなったら教室に乗り込めばいいし、No problem!」

「それはかなり迷惑だと思うの……」

 そんな話をしていると、屋上の扉がゆっくり開く。

「あ、なのはちゃん、アリサちゃん、来たよ」

 そう言われて二人もそちらを見る。

「………………」

 そこには、顔半分だけ出し、辺りの様子をうかがっている不審者、もとい遼の姿があった。

「!?」

 右へ左へ顔を動かし、最後になのはたちと目が合う。

 すると、一度引っ込み、十秒ほどしてからゆっくり姿を現した

「こ、こんにちみゃ!」

 口を抑えてしゃがみこむ遼。

「ちょっと、大丈夫?」

 心配してアリサたちが駆け寄る。

「舌噛んだ……」

 遼は喋りづらそうにそう答える。

「「「!?」」」

 それは偶然だった。

 涙で潤んだ瞳で彼女たちを見上げる遼は、彼女たちの目にとても可愛いらしく見えた。

 彼女たち動きが止まる。

「??????」

 遼は訳がわからず、口を抑えたまま彼女たちを交互に見つめる。

「え、えっと、まずは座ったほうが……」

「そ、そうよね、さ、こっちよ」

 すずかが言い、アリサが遼の手を引っ張り、ベンチへと連れて行く。

 …………こうして、トラブルはあったものも四人で初めて一緒に弁当を食べ始めた。

 

side 遼

 今日のご飯は全体的に辛めなピリ辛弁当。

 いつもはなんともないくらいの辛味なのに、先程の傷にしみて少し食べづらい。

 などと呑気にご飯を食べる私の横には三人の少女。

 自己紹介は先程済ませた。

 髪を両端に結んでいるのがなのは。

 髪がオレンジで、元気なアリサ。

 ゆったりしてて、いるだけで癒されそうなすずか。

 私は何度もこの名前を心の中で復唱する。

 私も一応三年間この学校に通ってはいるけれど、こんなに積極的に話しかけてきた子は初めてだった。

 話しかけてきても直ぐにどっか行ったり、遠くからこっちを見ているだけだったり、いつもそんな感じだったから私はとても驚いた。

 きっと私には友達はできない、私はそう思っていた。

「どうしたの? 遼ちゃん」

 なのはが私の顔を覗き込んでくる。

「何でもないよ、な
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ