生還者
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怯なのだー!」
子供?が追い剥ぎと対峙している
どうやらピンクの女が黒髪の連れか…
随分、物騒な得物持ってるなぁ
蛇矛に円月刀か?
時代劇でもあるまい
「ハァ…」
ほっとく訳にもいかないか
電話借りられないのは困るしな
「さてと、いっちょやるかい」
力強く地面をけり一気に賊との距離をつめる
彼我の差は歴然だな
まずは軽く挨拶するか
上体をひねらせて回し蹴りの体勢をとる
充分溜めてから全身のバネと遠心力を利用し
眼にも止まらぬ蹴りを放った
シュ!
凄い風切り音
「この女共は上玉だぜ!きっと高く売れる…」
刹那
追い剥ぎのノッポの顔にブーツがめり込んだ
ゴキャベキャ
鈍い音がしたのと同時に
歯が何本か折れ口から血を撒き散らしながら吹き飛ぶ
自分の身に何が起きたのか分からないまま意識が一時的に途切れる
痛みでだんだんと意識が戻り立ち上がる
鼻血と口を押さえて前を見ると
其処には妙な服装の男が自分の居た場所に立ってた
「なんだてめぇ…」
「よぉ!嬢ちゃん!大丈夫か?」
眼中になし
妙な男は女に話しかけている
ふつふつと怒りがこみ上げてきた
殺す!殺す!ぶっ殺す!
「死にやがれ!」
痛みと獲物を取られた怒りで斬りかかる
余裕ぶっこいてよそ見しやがって…
脳ミソぶちまけて死にさらせっ
剣を振り上げて走り出し
勢いそのまま袈裟斬りに振り落とした
「よぉ!嬢ちゃん!大丈夫か?」
見た事ない服装の大きな男の人が目の前に立っている…
あれ?私今まで人質に…
突然の出来事で混乱しているのかな…
で…でもちゃんとお礼言わなきゃ!
お礼を言おうと立ち上がると
後ろから剣を振り上げて走る男が見えた
あ!あ!あ!
「あ…あぶないっ」
咄嗟に声をかけたけど間に合わないっ
眼をつむり後悔と罪悪感が心を支配する
折角助けてもらったのに…
命の恩人に恩も返せず…
バキャーン
聞きなれない属音が耳を貫いた
恐る恐る眼を開けると…
悪い男の剣が折れていた
「え…あれ…」
愛紗ちゃんも鈴々ちゃんもびっくりしてる
もうが分からないよぉ〜
混乱して眼を回した劉備であった
少し手加減し過ぎたか?
まぁ本気でやったら首から上は吹き飛ぶだろう
しかし思っていたより追い剥ぎの反撃が早いな…
早いだけで何の脅威でもないが
蹴り飛ばした野郎が後ろから斬りかかってきた
遅いな、止まって見えるぜ
欠伸をしながら腕で剣を受ける
銃弾をも跳ね返すオリハルコン繊維
A・Mスーツは伊達じゃあない
刀ごときじゃあ傷もつかん
ビリビリビリビリ
嫌な音がした…
袖の部分がハラリと地面に落ちる
戦闘服は錆びたボロボロの刃で引き裂かれた…
「て…てめえ!俺の一張羅によくも
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