第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第41話:多角的視野ッス
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(海上)
ウルフSIDE
「あれ……お前は何について怒ってるの? リュカさんが不倫している事か? それともリーダーのお前に媚諂わない事か?」
俺はてっきりまともに会話をしないリュカさんに怒りを覚えたのかと思ったのだが、シン君から出てきた言葉を聞くと違う様な気がしてくる。
「べ、別に媚諂わないから怒ってるんじゃありません! いい大人が起こす騒動では無いと言ってるんですよ!」
おかしな論理だな……
「いい大人だから起こす騒動だったろ……男が女とヤってるとこを見られ、女の姉が騒ぎ出す……子供はダメだろ、こんな騒動を起こしちゃ。まぁこのままいくと、俺も起こしそうだけどね(笑)」
俺は大人だけど、女2人が子供だからなぁ……
「何を言ってるんですかウルフさん! 貴方はあのトラブルメーカーの肩を持つんですか!?」
「肩を持つとか、そんなんじゃなくて……」
意外に潔癖症なのか? いや……俺とリューノの仲を知っても騒がなかったし、男女の事柄に厳しい訳ではないだろう。
「……はぁ、よし分かった! 今回の騒動の件を冷静に分析してやろう」
「ぶ、分析されるまでもありません……十分に解っていますから!」
めんどくせー……リュカさんがちゃんと説明しないからこうなるんだ!
何時もあやふやにして誤魔化すから……
「良いから聞け。確かに今回の騒動はリュカさんの手癖の悪さが原因だが、誰も彼を責める事は出来ないんだよ! 出来るとしたら、この場に居ない奥さんだけ……」
「そ、それはどういう意味ですか?」
「じゃぁ聞くが、既婚者の男が未婚の女性を口説き、性行為をするのは違法か?」
「……いえ」
う〜ん……どうにも気に入らない様子だ。
「そう、違法じゃない! 不道徳ではあるが、何ら罰せられる事……責められる事はない!」
「で、ですが……」
言い募ろうとするシン君に右手を翳して止める。
「今回の事で、リュカさんに罵声を浴びせる権利を有するのは、各々の家族だけ……リュカさんの場合、妻と子供達……ついでに愛人ズ。ミネアさん側は姉のマーニャさんだけ。実際マーニャさんは怒鳴ってたけどね……」
ここまで説明しても不満顔だ……
「あの騒動の発端はリュカさんとミネアさんでも、原因はマーニャさんなんだ。彼女があれ程の大声を上げなければ、大勢のギャラリーは集まらなかったし、密かに終息させる事が出来たんだ」
「ではウルフさんはマーニャさんが悪いと言うんですか!?」
……そろそろブッ飛ばそうかなコイツ。
「そうじゃなくて、誰の所為でもないんだって言ってんだよ! 嫌な想像をさせるが……お前の母親が、父親以外の男とヤってる現場に遭遇する。お前はどんなアクションをする?」
「そ、
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