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鋼殻のレギオス 三人目の赤ん坊になりま……ゑ?
初めての都市
子供先生シキ
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児院に送ります」
 今度こそ、メイガスは天に手を仰いだ。
 グレンダンでは、やる気になったミンスと女王のとばっちりを受けているカナリスその他諸々が泣きながら、食糧問題やら孤児たちの補助金などを検討しているのだがそんなことシキが知る由がない。
 シキの頭の中は、自分が抜けた分の稼ぎをどうやって渡そうかということだけだった。
「……シキ、ウチに来なさい」
「へっ?」


 そうやって、あれよあれよという間に、シキはメイガスの家に着いていた。
 途中、メイガスが息を巻いてドミニオを説得しようとしたのだが……。
『そのガキを泊めたい? あぁ、好きにしろ』
 と言った風に、あっさりと承諾され、シキはエルミを睨むが猫は顔を掻いていた。当然、エルミが喋れるはずもなく、あっという間にシキがメイガスの家にお世話になることになったのだった。
 あのオッサンと猫は泣かす、いつか泣かすと心に誓うシキだった。
「小さな家ですまないね」
「……あぁ、うん」
 これが小さい家なら、さぞかしもっと大きな家はたくさんあるだろうが、トリンデン家は結構大きかった。シキが住んでいた孤児院と同じくらいか、それ以上である。
 ちょっと泣きたくなったのは、気のせいではないとシキは思う。きっと、今流れているのは汗だ、うん、そうに違いない。
「さぁ、遠慮なく上がってくれ」
「えっと、ご家族の許可は……」
「取ってないが、君なら妻も子も気に入ってくれるだろう!」
 それでいいのか、とシキは思う。
 知識だけだが、家族間では母親の方が権力が強いという傾向があるらしい。シキは親というのがイマイチ理解できないが、レイフォンとリーリンのような関係だろうと納得する。
「ただいま」
「……おじゃまします」
 家に入った瞬間、銃弾や衝剄が飛んでこないのに少し違和感を感じつつもシキはメイガスの家に入った。
「あら? あなたお帰りなさい。……その子は?」
 ふと、玄関からまっすぐ行ったところのドアが開き、エプロンを着た主婦風な女性が出てきた。
 シキはなんとなく頭を下げてると、メイガスは頬かきながら説明を始めた。
「あぁ、アイナ、ただいま。ちょっとね、ここではなくリビングで話そうか……メイシェンは?」
「友達と遊びに出かけてるわよ? じゃあ、上がって頂戴、ええっと」
 アイナがごもっていると、シキは口を開き自己紹介を始める。
「シキ、シキ・マーフェスです」


 リビングに移動したあと、メイガスはシキの諸々の事情と、保護者から宿泊許可をとっていることを話した。
「そう、グレンダンから」
「勝手なことだとは分かっている。シキをウチで預かれないだろうか?」
 シキは、微妙な雰囲気の中、落ち着かない気持ちで二人の話を聞いていた。
 手持ち無沙汰でもあるので、
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