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鋼殻のレギオス 三人目の赤ん坊になりま……ゑ?
初めての都市
子供先生シキ
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んのぉ、頭の硬い者たちを説得するには実際に戦うしか方法がないと思っての。報酬は払うし、こちらから君を勧誘することもしない」
 シキは、勧誘をしないという言葉を聞いて驚いた。
 どの都市でも強い武芸者というのは喉から手が出るほど欲しい。天剣クラスとなれば大抵の都市が喜んで交渉するだろう。
 だが、バンクルトはそれをしないと言ったのだ。
「リヴァース。その名を持つ武芸者を知っておるな?」
「あぁ、そういえばリヴァースさん、ヨルテムが故郷とか言ってたっけな」
 だいぶ前に、金剛剄を習う際、リヴァースから身の上話をされたことがあった。当時は興味がなかったので聞き流していたが、出身都市が外部だったのでよく覚えていた。そういえば、武芸団に所属していたとか聞いた覚えがある。
「あぁ、変わらないようで安心したわい……あの子は心優しいからの。向こうでやっていけていてるか心配じゃった」
 どうやらバンクルトはリヴァースと親交が深かったらしい。シキは懐かしむような視線を向けてくるバンクルトに対して、そう察した。
「元気にしてるよ、彼女だっているし」
「はっはっは、えらく別嬪な子じゃったなぁ」
 カウンティアは確かに綺麗だが、一筋縄ではいかない。
 あれでも落ち着いていたらしく、グレンダンに来た当時は暴走した剄で危なく都市の足を壊されそうになったことがある。それを止めるために来た、リヴァースと戦い、恋に落ちた……と、それはもう嬉しそうな顔で何十回と聞かされたのをシキは思い出し、青くなる。
 最長で十時間耐久リヴァース話をされた際は、何故か壁を殴りたくなる衝動に駆られたのをよく覚えている。
 残念美人、それがカウンティアの印象だ。基本的に姉御肌なので、相談事をすると親身になってくれるのでそこまででもないが、天剣常人組と比べると十分狂人である。あと、胸のサイズに触れたらナマス切りに合ったのもいい思い出だ。
「ワシらは、あの子に期待しすぎた。その結果、あの子を追い詰めてしまった」
 あの忍耐強いリヴァースを、追い詰めるなんて何をやったんだろうとシキは思うが口には出さない。
 結果的に、グレンダンには最高の武芸者が来た、それだけでいいのだ。
「その戒めとして、ワシらは無理を言って強い武芸者を引き止めるようなことはせん。その点は安心してくれ」
「はぁ」
 シキは息を吐く。
 おそらく、本当に勧誘はしないのだろう。バンクルトからはそう言った野心は感じない。そういう類の人間は、もっと嫌らしく搦手で追い込んでいく。
 まだ会って数分だが、シキはバンクルトは信用に値する人間だと判断した。
「確か、鍛えてくれって頼んだよな? 具体的にどうすればいいんだ?」
「おぉ! 引き受けてくれるのか!?」
「まぁ、ハンガーとか色々してくれたし……鍛える場所に困って
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