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鋼殻のレギオス 三人目の赤ん坊になりま……ゑ?
初めての都市
子供先生シキ
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 ドン!! と凄まじい音が響き渡る。
 音の発生源は、右手を突き出しているシキだった。
 周りには呻きながら倒れている三十人ほどの武芸者がいた。皆、苦しげに息を吐いているが立ち上がる者はいない。
 さらにシキに殴られて倒れた武芸者が加わり、三十一人。
 シキはそれらを気にせずに、まだ錬金鋼を構えて唖然としている残りの武芸者を見て、ため息混じりに言った。
「……だから手加減抜きで来い。殴るだけだったらサンドバックの方がマシだ」
 そういうと、顔を真っ赤にした武芸者たちが錬金鋼を掲げながら、シキに向かって突撃を開始した。
 シキはため息をつきながら、剄を奔らせてそれを撃ち込んだ。
 なぜシキがこうなったのか? それは三時間ほど遡る。


「きた……えっ?」
「言葉のとおりじゃ。君に教えを請いたいのじゃよ」
 シキは目を大きく開けて驚く。
 今まで、シキに修行してもらおうと来た大人もいたが、それはグレンダンでシキの実力を知っている人だけだったし、大抵の大人は子供に教えられるなどの理由からしていない。
 なぜ、他都市で最高戦力のはずのバンクルトが、シキに教えを請うのか。
 そんなシキの様子に苦笑しながら、バンクルトはすぐに種明かしをした。
「一応、ここは放浪バスの終着点であり発着点、自然と情報は集まるのじゃよ。例えば、他都市の強力な武芸者の話とか」
「マジかよ」
 シキは目の前の老人がボケてないか心配になった。
 確かにシキは噂通りに強い武芸者だ。しかし、まだ十歳のシキの情報を風の噂、最悪、誇張されている話をバンクルトは聞いて、なおかつそれを信じたと言っているのだ。
 疑うのは無理もないし、それだけの情報で自分は襲われたのかと、シキは怒鳴りそうになったが喉元で止める。怒鳴っても意味がないし、この程度だったらグレンダンで日常茶飯事だった……強襲してくる相手が段違いに強いのだが。
「君の反応はもっともじゃな。……まぁ、もしもの場合も考えて試させてもらったが、その必要はなかったようじゃな」
 このジジィ!! とシキは即座に錬金鋼を復元しようとしたが、これも止める。
 この一ヶ月、ドミニオと会話したおかげか、前よりもこらえ性が付いた気がする……あくまでも、気がする程度だ。
「グレンダンには以前行ったことがあっての。天剣授受者だったかの? その武芸者の戦いを見る機会があったのじゃよ」
 誰だろうと、シキは天剣の面々を思い出す。
「凄まじい、の一言だけじゃった。あの汚染獣をたった一人で簡単に屠る姿は寒気を覚えたわい」
 通常の汚染獣に天剣が相手するのは、蟻が象になんの対抗手段も持たずに戦うのに等しいほどの無力さがある。
 しかし、欠点もある。
「……基本的に連携が出来ないからなぁ」
 シキもそうだが、基本的に天剣たち
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