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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第九十九話】
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聞こえ、流石にこれ以上待たせると山田先生にも悪いのでハンガーに掛けていたシャツを一枚取ると――。


「悪い、長い間引き留めて――これで今生の別れって訳じゃないが、やっぱり居なくなると寂しくなるなと思ってな。はははっ…」



そう言い、シャルに折り畳んだシャツを手渡した――。


「うん…、また部屋に遊びに来るから、ね?」

「あぁ、いつでも来いよ?」


そう言い、手を差し出すとシャルも握手に応じてくれた――俺よりも小さな手が、優しく包むように握られた――。


「…………」

「……?」


若干、頬が赤く染まりつつあるシャルが、何かを決意したのかこっちを真剣な眼差しで見つめてきた。

どうしたんだろうと、疑問に思いながらシャルの表情を伺うと、シャルはその目を閉じた――。

そしてシャルが引き寄せるように俺の手を引っ張ると、若干体勢を崩してしまい――。


「っと……――んんっ…!?」

「ん………」


体勢を崩した俺は、何とかその場で体勢を立て直そうと左手をシャルの肩に乗せるも間に合わず、引き寄せられるようにシャルと軽く触れる様に唇が重なった――。

朝の光景がフラッシュバックされるように思い出す――だが、相手はラウラでは無くシャル……。

頭では早く離れないとと思っても…唇から伝わる感触がそれを許さず、俺は目を見開いたまま硬直してしまった――。

そして、ゆっくりと互いの唇が離れるとシャルは――。


「ひ、ヒルト……い、今のは…事故だから…ね?気にしないでね…?」

「じ、事故って……シャル、初めてだったんじゃないのかよ…?」

「そ、そうだけど……――ひ、ヒルトなら…僕は……――じ、じゃあね!?」

「あっ、ちょ、ちょっと――」


声をかけるが間に合わず、荷物と畳まれたシャツを持っていくと慌てて部屋を後にしたシャル――。


「……事故…なのか…?」


そんな呟きが、部屋に虚しく響くとまた静寂が訪れる――。

事故なのか、わざとなのかが全くわからず、俺はシャルが何であんなことをしたのかが全くわからず、悶々とした。

ただわかったことは――シャルの唇も、柔らかく――さっきの事を思い出すと一気に顔が熱くなった。
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