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オテロ
第二幕その二
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しかもわしがカッシオの名を呼ぶと顔に暗いものを見せる。何故だ?」
「それは」
「今までの様にわしを慕ってくれているのなら」
「それは否定しません」
 わざと恭しく一礼してから述べる。ここでは礼儀正しくする方がいいとわかっていてだ。その方がオテロがイヤーゴに話し易いとわかっているのだ。
「その通りでございます」
「それではだ。話してくれ」
 さらにイヤーゴに突っ込みを入れる。
「御前が思っていることを。意地の悪いものでも悪意のあるものでもいい」
「貴方はその掌の中に私の心の全てを持っておられるのですが」
「そうなのか」
「そうです。そしてですね」
 そっとオテロの耳元に近付いた。音もなく。そのうえで彼の耳に小声で囁くのだった。

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