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「「「偵察隊全滅!?」」」
兄、私、アスナさんは、揃って声を上げた。
今、ヒースクリフの口から出たのは、恐るべき言葉だった。
偵察隊全滅。
つまり、75層ボスの情報は、何一つ無い、ということだ。
死亡率がグンと高くなる。
正直、こんなときはボス戦なんてしたくない。
でも、急がなければ、という気持ちが、私の中で大きくなっていく。
理由は簡単。
そろそろ・・・個人差のある、タイムリミットが出始める頃だからだ。
事実、眩暈を訴えるプレイヤーが出てきたりしている。
私はそれを聞いて、それぞれのタイムリミットという物を考えてしまった。
だから、あと25層。
25層分の時間だけ・・・保って欲しい。
島島
この攻略にレオは巻き込めない。
巻き込みたくない。
でも、私、兄、ヒースクリフの三人誰がかけても、戦力が激減するのはわかっている。
何せ、ユニークスキル使いだから。
だから私は、危険を冒してでもボスを倒しに行く。
「ねぇ、レオ・・・・あのね」
私は静かに、レオに話し出す。
「今回の攻略・・・ううん、レオ。攻略には、出ないで」
「・・・は?何で?」
「・・・・偵察隊が、全滅したの。75層のボスの情報は何一つない。
でもこれ以上犠牲者は増やせない。あと、25層もあるのに・・・・その度に、偵察隊を全滅させてたらいつか、人が居なくなっちゃう。そのなかに、レオが入っちゃったらって・・・怖いんだよ」
「じゃあお前は?」
「え・・・?」
「お前は、死んでいいのか?」
レオの言葉に、私は顔を上げる。
「お前が死んだら、俺も死ぬ。それくらい・・・好きだから。
俺が死ぬのが辛いように、お前が死ぬのは辛いんだよ」
「・・・レオ・・・・」
私は、自分が根本的に間違っていたことを悟る。
レオは強い。
守られるほど、弱くない。
「じゃあ、レオ、ひとつ約束」
「うん」
「死なないでね」
「・・・もちろん」
私たちは頷きあって、微笑んだ。
ボス戦まで、あと3時間。
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