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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
黒守黎慈の変化
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んだよ。
特別痛みがあるとか視覚に問題があるわけでもないんで、そこまで心配することじゃないと思うぜ」
「……………………」
明らかに信用できないという顔をしているが、事実異常はないのだからどうしようもない。
魔術まで使って検査を通したのに、結果オールグリーンの健康体なのだから見た目以上の変化はないはずだ。
気がつけば紅くなっていて、魔術による検査でも異常無しと答えるもフェンサーは納得しない。
「はいはい、この話終わり! 今んとこどうしようもないんだから、そのうちもっと詳しく調べとくよ。
なんなら今日学園の事後処理の結果を凛に聞きに行くんで、そのときに眼について聞いてこようか?」
「敵にそういう話をするのはどうかと思うけれど……マスターの判断に任せるわ。そういう身体の異常を調べる高等魔術もなくはないけど、あまり意味があるとも思えないし」
「じゃあ次、今後の行動方針な。これは別にこれまでと変わらずでいいと思うが、おまえから意見は?」
「そうね。とりあえず昨日のような無茶は出来るだけ控えて欲しいところよ」
昨日の無茶とは一体どれを指して言っているのだろうか。
慎二に仕掛けてライダーに迎撃食らったり。
肩に風穴開けられても戦闘続行したり。
説明もないまま校舎駆け上がって特攻したり。
屋上から飛んだり天馬の目の前に割り込んだり宝具で斬りかかったりしたことでしょうか。
「全部です」
「それはすいませんでした」
こちらにも考えがあったとか他に手が無かったとかいう言い分はあるが、あれらが無茶な行動ではなかったかと言われると反論できないので謝っておく。
ただ昨日の戦闘時における昂揚感は凄まじいものがあった。
まるで自分じゃないようにフワフワした感じもあったが、何より本気で命のやり取りをする上での緊張感。
単に非日常の興奮、愉悦に浸っているわけじゃない。
先ほども考えていたことだが勝利という結果だけでなく、戦闘という過程を愉しむ……というと語弊があるが、ともかくそこに意味を見出せた。
最初こそ戦うために戦うなどと言っていたが、今では戦う意味を見つけたいと思っている。
戦いたいだけじゃない。浸っているだけじゃない。
今のまま進んでも、俺は結局何も変わらないんじゃないかという予感がある。
戦うために戦うなんて理由になってないし、そんな考えのまま戦っていればそのうち破滅するのは目に見えている。
魔術師として中途半端な存在だと自分を卑下したことがあるが、この気持ちにも中途半端なままではいたくない。
そのためにも、これからはもっとフェンサーと向き合った行動を選んでいきたい。
「今後はもっとちゃんと話し合って作戦を立てる。昨日
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