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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
黒守黎慈の変化
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事例もある。
 俺が知る限りだと、身体に紋様が浮かぶ、髪の変色、爪や犬歯が伸びる、一部骨格の変異など。
 ただ黒守一族にそんな習俗があるなんて話は聞いたことがないし、両親は記憶に薄いが曾祖父さんにそんな特徴は見られなかった。

 特に異常らしい異状もないので、今は放置しておくか。
 また時間のある時にでも黒守の書物を漁ったり魔術文献を調べてみよう。



「っと、結構考え込んでたな」

 顔を洗いに来ただけだが、色々とやっているうちに30分ほど経過していた。

 もう20〜30分でご飯も炊ける。
 次に思考が及んだのは、フェンサーの分をどうするかだ。

 確かこれも昨日、今後は食事の用意は必要ないと言われた。
 だが必要ないと言われれば同意ではあるのだが、今まで用意していたので違和感があるというか、食ってもらわないと俺が落ち着かないっていうか。

 炊飯までの余った時間、フェンサーとちょっと話すか。

「はい、フェンサー集合〜」

 少しの間を置いてフェンサーが目前で実体化する。
 どうやら大人しく回復に努め、待機していたようだ。

「何か御用でも、マスター…………っ!?」

 いつも通りの流麗とした声と仕草で問いかけてくるも、その顔が驚愕の色に変わる。

「現状の回復具合とこれからの行動方針についてと、朝飯をどうするかをだな」
「────────」
「とりあえず現状のコンディションを…………お? フェンサー?」

 何故かは知らないが、俺の顔を見たまま信じられないモノを見たかのように固まっている。

「────────」
「おーい、フェンサーさーん?」
「────え、あ、えぇ?? 何の話だったかしら?」
「いやだから現在の回復状況はどんなもんよ」
「あ、えーっと。んー、大体半分かな。回復すればするほど回復力は増すから、明日明後日中には全快ね」
「そりゃ朗報だ。俺も同じようなもんかな。じゃ、今後の行動方針でも────」
「ちょっとマスター」

 言葉を無理に遮られる。
 基本的に話は大人しく聞いているのが常だったフェンサーの強い言葉に驚く。

 割り込んででも言わなければならない意見でもあるのだろう。

「貴方……その右眼、どうしたの?」

 割と真剣な顔で何を聞いてくるのかと思えば、まさかの右眼のことだった。

 特に異常もなく紅くなっていること以外は普段と何も変わりないので放っていたが、他者から見れば目立つ異常部分であることは確かだ。
 自分のことなので軽く見ていたが、それこそフェンサーからすれば何があったのかと問いたださずにはいられない事だったのだろう。

「あ〜これな。今朝から何か紅くなっちまってるんだが、腫れてるわけでもなく特に異常はない
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