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ソードアート・オンライン  〜生きる少年〜
序章  僕の選択
第三話  チュートリアル
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3人で低く息を吐いたその瞬間、突然リンゴーン、リンゴーンと鐘のような音が大音量でなり始める。

「んな...っ」
「何だ!?」
「何!?」

同時に叫んだ僕たちが自分以外の二人の姿を見やり、また目を見開いた。

僕たち3人の体を鮮やかな青色の光の柱が包み込んだのだ。青い膜の向こうで草原の光景が薄れていく。

...いや、違う。薄れていってるのは僕たちだ。

この現象はβテスト時に何回も体験している。場所移動アイテムによる、《転移》だ。

でも、僕たちは、アイテムを握っていない上に、コマンドも唱えていない。

運営側の強制転移だとしても、なんでアナウンスが無いの!?

そこまで考えた瞬間に、体を包む青色の光が一際強く脈立ち、僕の視界を奪った。

青色の輝きが薄れていくのと同時に視界が戻る。

でも、ここはさっきまでいた草原ではなかった。

広大な石畳に、周囲を囲む街路樹と、瀟洒な中世風な街並み。そして正面遠くには黒光りする宮殿。

...間違いない。ゲームのスタート地点の《始まりの町》だ。

僕は、隣でぽかんと口を開けているクラインさんと、僕と同じようにクラインさんのほうを見てたキリトの3人で顔を見合わせた。そして3人同時に、周囲にぎっしりと幾重にもひしめく人波を眺めまわした。

色とりどりの装備、髪色、眉目秀麗な男女の群れ。間違いなく、僕たちと同じSAOプレイヤーである。どう見ても一万人近くはいるだろう。

恐らく、僕たちと同時に現在ログインしている人全員がここに強制転移されたんだろう。

数秒間、みんな押し黙って、周りをきょろきょろしていたが、やがて、ざわざわと声がそこかしこで発生し、徐々にボリュームを上げていく。そして「どうなってるの?」「これでログアウトできるのか?」「早くしてくれよ」などと言う言葉が、時々聞こえてくる。

そしてざわめきが、次第に苛立ちの色合いをまし、「ふざけんな」「GM出てこい」というようなわめき声も出始めた。

と、その瞬間。

それらの声を押しのけ、誰かが叫んだ。

「あっ...上を見ろ!!」

僕たち3人は反射的に視線を上にあげた。そしてそこに異様なものを見た。

100m上空、第二層の底を、真紅の市松模様が染め上げていく。

よくよく見てみると、それは、二つの英文が交互にパターン表示されてるものだった。真っ赤なフォントでつづられた単語は、【Warning】、【System Announcement】と書かれている。

...はっきり言って後半の意味がわからない。

これからやっと運営のアナウンスが始まるのかな?

そして次に起こった現象は、内心ちょっと安心した僕の予想を大きく裏切るものだった。

空を埋め尽くす、真
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