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グラールの神機使い
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「グラール太陽系……亜空間……フォトン」

 ペイラーが準々に単語をメモすると、普段通りの表情でにっこりと笑った。

「実に興味深いねぇ。つまり彼は、亜空間に飲み込まれて異世界にいるわけだ」

 実際に感応現象で見たとはいえ、そこまではっきり言われるとやはり信じられない。

「異世界? 亜空間ホール? ぜ、ぜんぜんわかりません……」

 ようやく戻ってきたフェデリコとアネットも混乱状態。

 リンドウは……

「俺が……一番感応現象起きやすいんじゃなかったの……」

 ものすごく落ち込んでる。

「1人感応現象が起きなかったからって拗ねるな、リンドウ」

「そうは言いますがねー姉上……」

「姉上と呼ぶな。とにかく、リュウジの生存は確認できたという事だろう?」

 そう言われると、なんだか嬉しくなる。

 支部長を止めたアツシと、リンドウを助けたリュウジ。

 この2人がいて、初めてアナグラなのだ。

「にしても、あいつも災難だな。よりによって異世界とは……そも、確かめる方法も呼び戻す方法も、今はないんだからな」

 テラの言う事はもっともだ。だが、今は生きている事がわかっただけでも、十分喜ばしい事だ。

「でも……」

 突然、アネットが不安そうな声を上げる。

何かと全員が聞き耳を立てると、緊張したようにアネットは呟いた

「テラさんの言った通り、私たちにできる事って、本当に何もないんでしょうか。呼び戻すための何か、とか……」

「無理を言うな。それに、今はこうしてあいつの動きを観察して、記録しているだけでも十分な力になれるはずだ」

 テラが、珍しく優しげな口調で言った。

 どうやら、後輩には優しいようだ。

「じゃあ、私達どうすれば?」

 アリサが不安を煽るように言葉を上げると、ツバキが溜め息を付きながら言った。

「決まっている。今まで通りアナグラ周囲でゴッドイーターとしてアラガミを狩り、定期的に感応現象で様子を見ればいい。というより、それしかできんだろうな」

「普段の生活、か……」

 アツシが呟く。その合間に、リュウジの動向を探るしかない。

 近づいたようで、遠い。

 全員が、溜め息をつくしかなかった。

「今すぐなんとかすることはできんが、今後手に入る情報も増えるだろう。そうやって解決していく以外、今は出来る事は無いぞ」

 ツバキさんの言う事はいつも正論だ、とアツシは思った。

 感応現象も、いつでも引き起こせるような物ではない。

 しかし、アリサはまだ納得がいっていないようだった。

「だったら、もっと感応現象を起こしましょう!」

「起こしましょうって……簡単にできるわけじゃないんだ
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