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「さて、アツシ君とアリサ君は意識を失って病室。アネット君とフェデリコ君は恥ずかしがってリタイア。残るは君たちだけか……」
今ペイラーのラボラトリに残る新型神器使いは、リンドウ、テラ、ジェラルドの三人だけになっていた。
「何が悲しくて男三人おてて繋がなきゃならないんだか……」
「リンドウ……この中で最も感応現象が起きやすいのは貴様だったのではないのか?」
「テラ、お前はなかなかあいつ思いだな?」
「……下らん」
リンドウとテラが手を取り合うが、やはり何も起きない。
最初にアツシとアリサが一回で成功したのが不思議なくらいだ。
「ジェラルド? 貴様も手伝ったらどうだ」
何も動こうとしないジェラルドを、テラが指摘する。
溜め息を一つつくと、ジェラルドはゆっくり立ち上がった。
「私に頼らないで頂きたい物ですが……テラ様、お手を」
優雅な動きで手を差し出すジェラルド。
その仕草に呆れ、鼻で笑うテラ。
その手を払うように、乱暴に手を打ちつけた。
が、その刹那――
「!?」
「ぐおっ……!」
2人を激しい衝撃が包む。
ほんの一瞬だったが、2人は確かに見た。
リュウジの、置かれた状況を。
数時間後……
「失礼します」
アリサとアツシがラボラトリに入ると、ツバキが歩み寄ってきた。
「もう大丈夫なのか?」
「はい。すいません、ご迷惑をおかけして」
「気にする事ではない。それで、何を見たんだ?」
ツバキがそう聞くと、アリサは俯いて黙ってしまう。
仕方なく、アツシが口を開いた。
「信憑性のない、夢でした。やはり、そう上手くはいかないようです」
悪い報告。アツシはそう思って話していた。
しかし、周囲の反応は彼の予想に反する物だった。
「博士……!」
ツバキは驚いてペイラーを振り返る。
なぜ驚くのか、アツシとアリサが疑問を浮かべていると、テラが衝撃的な事を口にした。
「グラール、か?」
「なっ!?」
それは、先程の夢に登場した言葉だったのだ。
訳もわからず混乱していると、今度はジェラルドが言った。
「つい先ほど、私とテラ様は感応現象を引き起こしました。残念ながらさほど鮮明ではありませんでしたが、私たちも夢だと思っていた所ですよ」
髪を掻き上げながら、矢継ぎ早に言葉を続ける。
「ま、今のあなた達の反応で、夢ではないと判断致しましたが」
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