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グラールの神機使い
5-1

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「……っ!」

 目が覚めると、ベッドに横たわっているようだった。

 酷く気分が悪い……本当に、どうしようもない程気分が悪い。

「ここは……病室か」

 ムクリと起き上がる。と、すぐ隣のベッドに、アリサが横たわっていた。

 どうやらアリサも今目を覚ましたらしく、ゆっくりと体を起こした。

「……おはよう」

「おはようございます」

「見たか?」

「……見ました」

 あまりにも、信じられない。

 異世界だの、種族だの。

 リュウジはどこにいるのか、結局把握できる状態ではなかった。

「結局、ただの夢か」

「そうですね……感応現象なら、こうやって意識を失う事もないですし」

 ただの夢。そんな感応現象があったものか。

「仕方ないよ。すぐには上手くいくはずはない」

「そう……ですかね」

 不安そうに、アリサは頷いた。

「そうですけど……何度もやって上手く行くものでしょうか?」

「アリサ……」

「何度やっても、こんな根も葉もない夢しか見ないなら……次は、彼は空飛ぶヒーローにでもなってるんですかね……」

 何も言う事が出来ない。

 アツシはもう一度ベッドに横になった。考えるのが怖かった。
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