第百三十話 南蛮具足その十
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るな」
ふとこうも言った松永だった。
「それは」
「それはどういうことですか?」
「あの、徳川殿がおられるとは」
「それはどういう意味でしょうか」
「よくわかりませんが」
「ははは、言った通りじゃ」
自分の今の言葉にいぶかしむ家臣達に笑って返す。
「そのままじゃ」
「またその様に仰いますが」
「そのご本心は語って頂けませぬか」
「だから言った通りじゃ」
こう言うだけだった、今は。
「それだけじゃ。ではその徳川殿にお会いしに行こう」
「では」
「そのことは」
松永もその家臣達も今は青い具足に陣羽織で家康と落ち合う場所に向かう、だが松永は今は思わせ振りな笑みを浮かべてそこに向かうだけだった。影に様々なものを含ませながらも。
第百三十話 完
2013・3・25
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