第三十四話 眼鏡とヘッドホンその四
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「それをしてるだけよ」
「そのスキンシップって胸とか脚にですよね」
「お尻とかウエストとか」
「まあね、そういう場所を集中的にだけれどね」
「ですからそれがセクハラですから」
「警戒されるのも当然ですよ」
「残念ね、まあとにかくね」
茉莉也は二人がその手に一升瓶を持っているのを見た、それで二人に対してあらためてこう言ったのだった。
「それお酒よね」
「はい、花子さん達に貰いました」
「先輩に持って行けって」
「贈りものね。つまりは」
茉莉也はその酒を見ながら言う、その目は考える顔になっている。
「私にあんた達の協力者になって欲しいのね」
「実際にそう言われました」
「先輩がおられると頼りになるからって」
二人は花子さん達に言われたことを正直に答えた、本来なら隠すところであろうがそれでもあえてそのまま話したのである。
「だからです」
「先輩に」
「そんなのくれなくても協力するわよ」
茉莉也は二人に笑顔で返した。
「最初からそのつもりだったわよ」
「えっ、そうなんですか」
「そうしてくれるんですか」
「そうよ、確かに私はお酒好きだけれど」
それでもだというのだ。
「巫女だし、それにあんた達は後輩だからね」
「後輩だからですか」
「それでなんですか」
「そうよ、先輩は後輩の為に一肌でも二肌でも脱ぐものでしょ」
笑顔での言葉だった。
「だからよ」
「ううん、それじゃあ」
「このお酒は」
「あっ、それは頂戴」
酒を貰わなくとも協力するつもりだったが酒は、というのだ。
「お酒はね」
「大好きだからですね」
「それで」
「そう、お酒は頂戴」
二人ににこにことして所望の言葉をかける。
「是非ね、とにかく必要とあらばいつもここに来るかメールで連絡してね」
「それで、ですか」
「協力してくれるんですか」
「そうよ、約束するわ」
このことについては確かな顔で答える。
「泉かどうか確かめに行くのも呼んでくれたら一緒に行くし知ってることなら話すから」
「じゃあお願いします」
「それで」
「頼りにしてね、それであんた達今度は何処に行くの？」
協力を約束してからだ、茉莉也は二人に次の計画を尋ねた。
「保育園とか美術館って言ってたけれど」
「はい、保育園にしようかなって思ってます」
「そこに」
「あそこね」
二人はその話を聞いて確かな顔で述べた。
「あそこに行くのね」
「はい、座敷わらしがいるっていう」
「あそこにも泉がありそうですか」
「あそこの泉は確かね」
茉莉也はその保育園に通っていた、だから知っていてそれで二人に話すのだった。
「職員室の横の鏡だけれど」
「そこを通り抜けられればですか」
「何かあるんですか」
「あそこの鏡に十二時
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