第三十四話 眼鏡とヘッドホンその二
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「寝てるわよ」
「それで今日もですか」
「寝ておられたんですね」
「そうよ、だって朝早いから」
「大体何時位ですか?」
愛実がその時間を尋ねる。
「四時半位ですか?」
「ええ、毎朝ね」
そうだとだ、茉莉也も答える。
「それ位に起きてね」
「それで、ですか」
「神様のお仕事をしてから」
「また寝るのよ」
その二度寝を楽しむというのだ。
「ゆっくりとね。寝ないとね」
「お肌に悪いですか」
「そういうことですか?」
「そうよ、健康自体によくないから」
まさにその通りだった、茉莉也は己の健康のことを考えてそれで寝る様にしているのだ。そしてこのことについて二人にこうも言う。
「人間まずは寝ることよ」
「それからなんですね」
「健康も」
「二人共ちゃんと寝てる?」
二人に対してそのことを問う。
「特にパン屋さんは朝早いけれど」
「はい、寝てます」
その点は大丈夫だとだ、聖花は茉莉也に答えた。
「いつも」
「結構真夜中に学校に来てるけれど」
「来る前に寝てます」
「学校に来る分はなのね」
「実は私寝ようと思えば何処でもすぐに寝られる体質でして」
「それは有り難いわね」
「休み時間でもすぐなんですよ」
寝られるというのだ。
「もうぐっすりと」
「聖花ちゃん凄く寝つきいいんですよ」
愛実も茉莉也にこのことを笑顔で話す。
「一緒に寝てても本当に十秒位でぐっすり、ですから」
「十秒凄いわね」
「私も寝つきいい方ですけれどもっとなんですよ」
「凄いわね、けれど」
「けれど?」
「あんた達一緒に寝ることあるの」
茉莉也は愛実の言葉から二人から見れば不思議なことににやにやとしだした、そしてこんなことを言ったのである。
「同じベッドでよね」
「はい、お互いのベッドで」
「時々ですけれど」
寝ているというおだ。
「子供のころからお互いのお家でお泊りしてますから」
「今でもしてますよ」
「いいことね、百合百合しいわね」
「あの、変な想像されてません?」
「百合って」
「一緒にお風呂に入ったりもするのよね」
茉莉也はその顔をさらににやにやとさせて二人に問うた。
「そうよね」
「お風呂はいつもですけれど」
「それもですか?」
「いいわね、何なら二人で結婚したら?」
「私達女同士ですから」
「そういうのは」
「そのうち日本でも法改正されて出来る様になるかもね」
実は日本では同性間での婚姻は認められていない、同性愛に寛容な文化であるがそれでもなのである。
「その時はどう?」
「ですから女同士ですよ」
「法律の問題じゃないですよ」
「そこで是非って言うのがいいんじゃない」
茉莉也は困った顔で返す二人に余裕のある笑顔で返した。
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