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八条学園怪異譚
第三十四話 眼鏡とヘッドホンその一
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               第三十四話  眼鏡とヘッドホン
 愛実と聖花は図書館に行った次の日に部活に行く前に茉莉也の神社に入った、神社に入るとまずは烏天狗達の挨拶を受けた。
「おお、おはよう」
「早いな」
 彼等は二人に一礼して挨拶としてきた、二人も深々と頭を下げて応える。
「ええ、おはよう」
 二人同時に挨拶をする、そしてあらためて烏天狗達に問うた。
「あの、それで先輩は?」
「先輩はおられるの?」
「うむ、お嬢はまだ寝ている」
「しかも爆睡だ」
 天狗達はこう二人に答える。
「そろそろ起こそうと思っていたところだ」
「丁度いいところだった」
「先輩まだ起きてなかったの?」
「そうなの?」
 二人は天狗達の言葉に目をきょとんとさせて返した。
「神社とかお寺の人って朝早いんじゃ」
「違ったの?」
「一度朝起きてから寝るのだ」
「二度寝をするのだ」
「何か先輩らしいわね」
「そうよね」
 二人は天狗達の話を聞いてこう思った。
「そういうところってね」
「如何にもって感じで」
「だが神事は絶対に忘れないからな」
「朝もな」 
 この辺りは真面目だというのだ。
「朝のそれは何があっても忘れない」
「絶対にそれをする為に起きてだ」
 また寝るというのだ。
「では今起こそう」
「少し待っててくれ」
「あれ、あんた達来てたの」
 ここでだ、神社の奥から茉莉也の声がしてきた。二人は天狗達と境内の入口のところで話をしていたのだ。
 そこに茉莉也が来た、見れば今の服は。
 あの赤と黒の制服姿だ、それを見て言う二人だった。
「ひょっとしてそのお姿で、ですか」
「二度寝しておられたんですか?」
「あっ、着替えたのよ」
 寝ぼけまなこで答える。
「ここ来る前にね」
「ああ、先輩着替え一瞬で出来ますからね」
「だからですね」
「そうよ、ネグリジェから一瞬で着替えたのよ」
 今回もそうしたというのだ。
「ここに来るまでにね」
「その特技凄い便利ですよね」
「一瞬で着替えられるって」
「ええ、自分でも有り難いと思ってるわ」
 茉莉也はにこりと笑って二人に答える。
「ちなみに四十分位前に起きてお風呂入ってたけれどね」
「朝風呂ですか?」
「それですか?」
「沐浴よ」
 その形で入っているというのだ。
「毎朝してるのよ、日課よ」
「ううん、そういえば先輩っていつも綺麗ですね」
「清潔にされてますね」
「身体は清めないとね」
 このことはにこりと笑って言うのだった。
「そこから心も清められるから」
「朝の沐浴で、ですか」
「それをされてなんですね」
「私の朝ははじまるのよ」
 こう笑顔で話す茉莉也だった。
「一度起きてるけれどね」
「あっ、それ天狗さん達か
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