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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter17「写真」
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異世界だとしてもな」
「ちょっとオジサン臭いよその台詞……」
「うえっ!?」
「けどもし気持ちが変わったらいつでも声をかけてね。私はルドガーの力になりたいんだ」
執務官としての立場もあるが、フェイトは彼を1人の仲間として本気で心配している。能力の高さ、骸殻という強大な力を持ちながらも決してその事を誇らないルドガーは誰から見ても立派な人格者。
だが時々、その彼の瞳と彼の戦う時の動きから寂しさをフェイトは感じたような気がしていた。
「気持ちだけ受け取っておくよ。けど俺は大丈夫だ。むしろ俺はフェイトやはやて達の方がよっぽど心配だぞ」
「わ、私が?」
「よく言われないか?お前達って自分の事より他人の事を第一に考え過ぎて、自分の事に余裕を持てなくなってるんじゃないか?」
それは確かに言われた。彼女の義母リンディ・ハラオウンや義兄であるクロノ・ハラオウンに全く同じ事を言われたのだ。
「どうしてそう思ったの?」
「俺も同じだからな。何となくわかるんだよ、同類にはな」
「そ、それだけ?」
「ああ」
あまりの呆気ない内容に唖然としてしまう。歳が1つ違うだけでこうも人間性のレベルは違うのかとつい考えてしまう。
「あまり他人に心配掛けさせないようにしろよ?お前は1人じゃないんだから、色々と失うモノもあるんだ。まぁ俺と同類ならこの言葉にどれだけの抑止力があるかは…期待薄かな?」
使った皿を片付けルドガーは食堂から姿を消す。少し馬鹿にされたような気もするが、あれは心から自分達を心配しているからこそ出てくる言葉であり、はっきり伝わってきた。
「失うモノ……か」
フェイトもこれまでの人生で大切な存在を失った事がある。実の母であるプレシア、姉のような存在であったリニス、そしてもう1人の自分でもあるアリシア……別れは出会いと同じで突然訪れるモノ。
特にフェイトはどちらも多く経験し、得るモノもあれば失ったモノも少なくはない。
ではルドガーは一体どれだけの出会いと別れを経験したのか?
目覚めた先が自分が生まれた世界じゃない事を知ってあんな風に何故飄々としていられるのだろう?
(もしかして彼は……)
全てを失ったからあそこまで執着がないのではないのか?
だとしたら彼の心は修復ができないくらいに壊れている?
(違うな…きっと。もしそうだとしたらあんな風に笑えるはずないよ)
絶望を知っているからこそフェイトはルドガーが絶望していない事がわかる。
それどころかあの瞳には、絶望なんて物ともしない不屈の炎が灯っている。
ルドガー・ウィル・クルスニク………フェイト達に近い存在であり最も遠い存在……彼にできる選択が
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