暁 〜小説投稿サイト〜
SAO――とある奇術師は閉ざされた世界にて――
一章 四話 とある妖精の激昂
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、筋力だけで左足に部位破損引き起こしやがった。
・・・え?何を言いたいのか分からない?
・・・・・素手で足、引っこ抜きやがったんだよ!!!

ああもう!無言で叫んで両手を振り上げる。その勢いで後ろのベッドに仰向けに倒れこむ。

「目の前で殺したのは・・・やり過ぎたかな」

薄暗い部屋で、ポツリと呟く。

正直、あんなに泣かれるとは思っていなかった。

あの男は、少女にとってそんなに大事だったのだろうか。

「いや、ちょっと違った気がするよなぁ」
少女のあの叫びは、どちらかといえばアベンジャーズ全体に向けられたものだった気がする。
あくまで気がするだけだが。

それに、結局アベンジャーズの正体についても分からず仕舞いだ。
いや、本人達レッドと名乗っているのだから、レッドギルドではあるのだろうが、あのレッドの少なさ納得のいくものではない。


もしも、あいつらがレッドじゃなかったとしたら・・・・
俺はこれまで、復讐という動機で自分の行動を正当化してきた。
何人も、殺してきた。レッドなら良い。レッドなら殺しても気にする必要はない、と。
だがもし今回のように、レッドを殺したことで、悲しんだ人がいたとしたら。




「・・・・ああ、クソ」

閉じたまぶたから、何か熱いものがつたった気がした。
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