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我が剣は愛する者の為に
強者の在り方
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で、戦うのを止めん!」

腹の底から出す咆哮のような叫び声を挙げて、接近する。
袈裟切りを繰り出すが、見切られかわされる。
左拳を顔面に叩き込まれ、後ろの壁まで吹き飛び、そうしてようやく意識を失った。

「その忠義、素晴らしい。
 敵ながらあっぱれだな。」

称賛の言葉を送り、苑意を追いかけようとして、出口付近で人の気配を感じた。
出口から来る人間など限られている。

「戻ってくるとは意外だな、苑意。」

「ぐひひ、名案を思い付いてな。」

「ほう、なら試してみろ。」

「後悔するがいい!」

苑意は手に持っている水晶玉に氣を送り、集中する。
水晶玉には縁の姿が映り、彼の氣を水晶玉に封じ込めようとする。
瞬間、縁は心臓を掴まれるような感じを受けた時に。

「喝ッ!!」

空気を震わせるような声と氣を発した。
今まで縁の氣を封じ込めていた水晶玉全体に大きなひびが入り、縁の姿が見えなくなった。

「そ、そんな馬鹿な!?」

「やっぱり水晶玉を使ってきたか。
 氣を扱う訓練をしてきたんだ。
 そんな道具一つで俺を操れると思ったか?」

袖からクナイを飛ばし、ひびの入った水晶玉に駄目押しの一撃を加える。
クナイが刺さった水晶玉は半分に割れ、地面に落ちた衝撃で粉々になった。

「あ、ああああああ!!
 私の力が!!」

水晶玉が壊れ、慌てふためく苑意だが。

「苑意よ。
 貴様は自分の事を強者と言ったな?」

「ひっ!」

視線を上げれば、目の前に縁が立っていた。

「確かに弱者は弱い。
 弱さを盾に言い訳する輩が多いのは認める。」

「な、なら!!」

「だがな、力を盾にして弱者を一方的に虐げて良い訳がない。
 俺達のような強者の在り方は、常に前に立ち、弱者である彼らの目標になる事だ。」

縁の脳裏に一刀の姿が思い浮かぶ。
彼も最初は弱者だった。
けど、今は努力し前に立っている縁の隣に並ぼうとしている。

「弱者を育て、いつか目標となった俺達を追い抜かす日を待つ。
 貴様のやっている事は、力を盾にし弱者を踏みにじり、優越感に浸っている屑野郎に過ぎない。
 だからよぉ・・・・」

両手を握り締めて、彼は叫ぶ。


「腐った性根を叩き直してやるよ!
 歯ぁ喰いしばれッ!!」

「ひ、ひぃぃ!!」

逃げようとする苑意の襟首を持ち、左手の拳で顔を殴る。
一発では終わらない。

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!」

拳の弾幕で苑意の身体に何十発の拳を浴びせる。
氣で強化せず、死なない程度に手加減してあるが、殴り終える頃には彼は気絶し鼻血など酷い有り様になっていた。
二人を抱えて、来
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