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我が剣は愛する者の為に
強者の在り方
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を切る音が聞こえ、前に飛びこむ。

「よく避けたな。」

「この声は雲流か。」

声のする方に向けてクナイを投げるが、壁に弾かれる音が聞こえた。
気配を探るが自分以外の気配を感じない。

(完全に気配を断っているとはな。
 時間稼ぎか。)

「関忠殿の実力は知っている。
 正面から戦えば負けるが、暗闇に閉ざされた空間に気配を断てば、勝機はある。」

神経を集中させ、気配を探るがやはり感じない。
雲流は時間稼ぎではなく確実に縁を殺すつもりでいるらしい。

「貴様は苑意のしている事が分かっていて加担していたのか?」

「当たり前だ。
 でなければ、こんな風に関忠殿を殺そうとはしない。」

暗闇に目が慣れる時間は大体数分。
慣れるのを待っていては駄目だ。
相手は容赦なくこちらを殺しに来ている。
悠長に待っていれば死のは確実だ。

「私は貧民街で生まれた。
 生まれながらにして弱者として生きてきたが、苑意様の弱肉強食の制度のおかげで強くなれた。
 誰もが否定する制度があったからこそ、今の私がいる。
 苑意様に仕え、共に歩むと誓った。
 邪魔をする者は誰であろうと殺す。」

静かな殺意を感じる。
それは空間全体に広がり、どこに雲流が居るか分からない。
だが、部屋はそれほど広くない事は分かった。

「これは俺の持論だが、雲流はただ苑意に付き従っているだけで仕えてなどいない。」

「何だと?」

「主が間違った道に進もうとしているのならそれを止め、正しい道へ導く。
 これが俺の中で仕えるということだ。
 お前はただ恩を返すだけを考えて、言われた通りに従うだけで主が間違った道を進むのを止めなかった。」

「黙れッ!
 貴様に・・・何が分かる!」

小瓶から神経毒が塗られた針を取り出す。
確実に動きを封じ込めて殺す。
背後に忍び寄り、首筋に針を刺そうと腕を近づけたが縁の右腕が、針を持つ手首を掴んだ。

「なに!?」

そのまま振り向き、雲流に拳を叩き込まれ、吹き飛ぶ。
気配は完全に断っていたのに、どうして接近されたのがばれたのか分からない。

「お前は気配を完全に断っているだけで周りの環境と一体化しようとしなかった。
 俺は自然に囲まれて修行したおかげで、自然の氣が感じる事ができる。
 一体化していないせいで、お前自身の氣が少し浮いていたおかげで位置を特定する事ができた。
 まぁ、それも部屋が狭いおかげだな。
 広ければ特定するのは厳しかった。」

眼も少し慣れたのか、雲流の姿を少しずつ捉えつつある。
起き上がりながら剣を抜き、構える。

「例え、私の仕え方を間違っていても、苑意様を慕いついて行くのに変わりない。
 何があってもこの命尽きるま
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