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我が剣は愛する者の為に
強者の在り方
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に来るように言われて、一晩かけてここに来たのよ。
 にしても、城付近の警備が甘すぎるわね。
 簡単に城まで潜入する事ができたわ。」

「じ、自分の城はどうした!?」

「優秀な部下たちに任せてあるわ。」

「か、監視兵ッ!!
 監視兵は何をしている!!」

「何故俺がわざわざ窓から侵入してきたのか疑問に思わなかったのか?
 離れを監視する兵士は全員仲良く寝ている。」

狼狽えながら苑意は後ろに下がる。
さっきまで愉快に笑っていた顔は消え去り、冷や汗を流しながら青い顔つきへ変化する。

「さて、苑意。
 覚悟はいいかしら?
 洛陽には私の知り合いが居るから、きっちりとあなたの罪を裁いて貰おうじゃない。」

凛とした表情で苑意に近づこうとするが。

「お前達、何をしているッ!
 さっさと殺せ!
 こいつらさえ殺せば、あとはどうにでもなる!!」

その前に苑意が兵士達に号令をかけた。
戸惑っていたがこのままでは自分達も裁かれると考え、兵士達は剣を持ち、華琳に斬りかかる。
刃が華琳に振り下ろされる前に、春蘭の大剣が阻止する。

「華琳様に剣を向けるなどと、笑止千万ッ!
 まずは私を倒してからにするんだな!!」

剣を弾いた衝撃で隙が生まれ、そこに強烈な一撃を与える。
刃ではなく剣の腹で攻撃したのは、洗脳されているかもしれないという配慮だろう。
華琳の隣では秋蘭が鏃を削った矢を五本連射し、兵士達を沈めていく。

「安心しろ、殺しはしない。
 が、罪は償ってもらうぞ。」

二人が兵士達の相手をしている間に、縁は倒れている胡蝶に駆け寄った。

「おい、しっかりしろ!」

「だ・・・だいじょ・・ぶ。
 痺れ・・てるだ、け。」

神経毒が薄れてきたのか、途切れ途切れで話をする。
命に別状はない毒であるのを確認し、一息吐くが傍にいた苑意と雲流の姿が見えない。
離れの奥に視線を向けると、二人が走り逃げていくのが見えた。

「華琳!
 胡蝶を頼んだぞ!
 俺は苑意を追う!」

「分かったわ!」

鎌で兵士と応戦しながら答える華琳の声を聞き、縁は足を強化し、急いで追う。
奥に進むと、一つの個室があり扉が開いていて中に入る。
床の一部は開閉式の扉になっていて、そこが開いていた。
緊急の脱出口だろう。
扉に潜ると、地下を掘ったらしく通路が続いている。
通路を松明で照らしてあり、奥から足音が聞こえる。
最大まで強化して全速力で追い駆ける。
途中、道を照らしていた松明が消えているのに気づき、速度を落とす。
先は真っ暗で何も見えないが、恐れていては逃げられてしまう。
壁伝いに走っていると、ふと壁が途切れた。
どうやら少し広い間に入ったようだ。
瞬間、何かが空
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