強者の在り方
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もするかと思いきや、彼女は笑っていた。
笑う意味が分からない雲流であったが、苦し紛れに笑っているのだと判断し、離れる。
黒い水晶玉の覗く。
真っ黒で何も見えないはずの水晶玉に床に倒れている胡蝶の姿が映る。
確認した苑意は水晶玉を掴み、念を送る。
すると、ドクンと胡蝶は身体に異変を覚えた。
まるで心臓を掴まれているかのような苦しみと圧迫感。
意識が薄れていく。
神経毒の影響ではなく、胡蝶と言う人格を奪われ、別人になっていくのが分かる。
抵抗したくても、神経毒のせいで身体は動かず、氣も練れない。
気が遠くなり、眼を閉じかけたその時だった。
広場にある一つの窓が外側から衝撃で割れ、誰かが入ってきた。
胡蝶と眼が虚ろの男達以外の全員がそちらに視線を向ける。
集中が切れた苑意に呼応して、水晶玉に映っていた胡蝶の姿は消え、応じて薄れかけていた胡蝶の意識もはっきりしてくる。
窓を突き破って侵入してきたのは、刀を抜刀した縁だ。
「関忠!
貴様、何をしにここに来た!!」
お楽しみを邪魔されたのが相当頭にきたのか、苑意は憤怒の念が噴出する。
激怒する苑意とは打って変わって雲流は冷静に思考していた。
(なるほど、司馬懿殿が笑っていた意味が分かった。
彼が此処に来ることを分かっていたのだな。)
「何をしにここに来たか、か。
貴様の悪事をあばきに来た。」
「悪事だと!?
身に覚えのない事を言いに、私の離れの窓を突き破ってきたのか!!」
「根拠はある。」
はっきりと力強く発言する縁の言葉に、苑意はわずかにだが後ずさりした。
「まずは賊による被害件数の数の違い。
曹操の所を含めた各州牧、刺氏が治めている街の被害の件数とこの街の被害件数の数が圧倒的に違いがある。」
「わ、私の兵士はしっかりと仕事をして、賊が蔓延らないようにしているから当然だ!」
「これだけなら偶然とか、何とでも言い訳が効く。
だが、根拠はこれだけではない。
死傷者の数だ。
ここ数日の賊による村の住民の死傷者の数も違いが出ている。
何より一番重要なのは、この城を中心とした村には他の城が統治する村と違った被害が多く出ているということだ。」
「ち、違いだと?」
「近辺の村には死傷者とは別に行方が分からくなった住民が多数出ているということだ。
その数は近辺の村の死傷者の数を大きく超える。
曹操の村でも被害が出ていたが、ここと比べると全く被害の数が違う。
逆なんだよ。
お前の統治する村は行方不明者の数が多く。
こちらでは死傷者の数が多い。」
華琳の城から出発するまで調べてきた内容と、ここに着いてから兵士達と自分で調べた情報を纏め提示していく。
「ついでに街の方でも行
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