強者の在り方
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
をかけられるまで気づかなかった。
(考えるのは後。
今はこの状況を切り抜ける。)
糸による攻撃をしようとして、それよりも早く雲流は腰にある小さな小瓶から針を取り出し、胡蝶の首に突き刺す。
瞬間、全身に痺れが走り力を失い、床に倒れてしまう。
氣を練るおろか、呼吸すら厳しい。
(ど・・・ど、く・・・・)
雲流は膝を折り、腰にある小瓶を見せつける。
「この小瓶には強力な神経毒が入っている。
死にはしないが、全身に痺れが広がり指を動かすのも厳しいはずだ。
司馬懿殿は頭が切れるそうでな、早めに手を打たせてもらった。」
雲流は縁達が忍び込んでくるのを想定していた。
故に賊の討伐の時、後ろから縁や胡蝶の実力などを分析していたのだ。
倒れている胡蝶を抱き抱えて離れに向かって歩き出す。
監視兵は雲流の様子を見に来たが、既に終えたのを確認して持ち場に戻る。
「この場で殺すと後始末が面倒何でな。
離れでとどめを刺させてもらう。」
「あ・・・ッ・・・」
舌も痺れ、言葉も紡げない。
離れの内部も豪華な装飾で彩られているが、外と比べるとまだ控えめなほうだ。
胡蝶を床に寝かせ、剣を抜く。
剣先を心臓に向ける。
「何か言い残す事はあるか、と聞こうとしたが喋れないな。
お前を殺した後、関忠殿には適当な理由をつけて帰ってもらう。」
そう言ってから剣を振り下ろす。
剣が心臓を貫こうとする前に。
「まてぃ!」
声がかかった。
声に反応して剣を止める。
奥からやって来たのは、黒い水晶玉を持った苑意だ。
「何も殺す必要はなかろう。」
「しかし、この者を生かしておくと後々面倒な事になる可能性があります。」
「分かっておるが、報告ではかなりの使い手なのだろう。
そろそろ武人にも効くかどうか試したくなっていたところだ。」
「ですが、これ以上使えば命に関わります。」
「分かっておる。
明日の夜まで牢屋に入れておけばよかろう。」
「・・・・・・・了解しました。」
「うむ。
では、こいつらを例の所へ。」
苑意の後ろから男達を連れて来た兵士の姿見える。
さらに後ろには目が虚ろの男達が立っていた。
兵士が来い、と言うと頷きもせずゆっくりとした足取りで着いて行く。
まるで魂の抜け、人形に成り果てたように見える。
雲流は胡蝶を持ち上げて、地下の牢屋へと連れて行くのだった。
「・・・・・・・遅い。」
朝になった。
調べ物や頼み事を終えたという報告を兵士から聞き、俺自身の調べ物も終えた。
後は胡蝶の話を聞くだけだ。
集合は俺の部屋になっているのだが、朝になっても胡蝶はやって来ない。
いつ来ても良いように調
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ