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我が剣は愛する者の為に
強者の在り方
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をかけられるまで気づかなかった。

(考えるのは後。
 今はこの状況を切り抜ける。)

糸による攻撃をしようとして、それよりも早く雲流は腰にある小さな小瓶から針を取り出し、胡蝶の首に突き刺す。
瞬間、全身に痺れが走り力を失い、床に倒れてしまう。
氣を練るおろか、呼吸すら厳しい。

(ど・・・ど、く・・・・)

雲流は膝を折り、腰にある小瓶を見せつける。

「この小瓶には強力な神経毒が入っている。
 死にはしないが、全身に痺れが広がり指を動かすのも厳しいはずだ。
 司馬懿殿は頭が切れるそうでな、早めに手を打たせてもらった。」

雲流は縁達が忍び込んでくるのを想定していた。
故に賊の討伐の時、後ろから縁や胡蝶の実力などを分析していたのだ。
倒れている胡蝶を抱き抱えて離れに向かって歩き出す。
監視兵は雲流の様子を見に来たが、既に終えたのを確認して持ち場に戻る。

「この場で殺すと後始末が面倒何でな。
 離れでとどめを刺させてもらう。」

「あ・・・ッ・・・」

舌も痺れ、言葉も紡げない。
離れの内部も豪華な装飾で彩られているが、外と比べるとまだ控えめなほうだ。
胡蝶を床に寝かせ、剣を抜く。
剣先を心臓に向ける。

「何か言い残す事はあるか、と聞こうとしたが喋れないな。
 お前を殺した後、関忠殿には適当な理由をつけて帰ってもらう。」

そう言ってから剣を振り下ろす。
剣が心臓を貫こうとする前に。

「まてぃ!」

声がかかった。
声に反応して剣を止める。
奥からやって来たのは、黒い水晶玉を持った苑意だ。

「何も殺す必要はなかろう。」

「しかし、この者を生かしておくと後々面倒な事になる可能性があります。」

「分かっておるが、報告ではかなりの使い手なのだろう。
 そろそろ武人にも効くかどうか試したくなっていたところだ。」

「ですが、これ以上使えば命に関わります。」

「分かっておる。
 明日の夜まで牢屋に入れておけばよかろう。」

「・・・・・・・了解しました。」

「うむ。
 では、こいつらを例の所へ。」

苑意の後ろから男達を連れて来た兵士の姿見える。
さらに後ろには目が虚ろの男達が立っていた。
兵士が来い、と言うと頷きもせずゆっくりとした足取りで着いて行く。
まるで魂の抜け、人形に成り果てたように見える。
雲流は胡蝶を持ち上げて、地下の牢屋へと連れて行くのだった。





「・・・・・・・遅い。」

朝になった。
調べ物や頼み事を終えたという報告を兵士から聞き、俺自身の調べ物も終えた。
後は胡蝶の話を聞くだけだ。
集合は俺の部屋になっているのだが、朝になっても胡蝶はやって来ない。
いつ来ても良いように調
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