第四幕その三
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の時だった。オテロとエミーリアの言い争いを聞きつけたカッシオとロドヴィーゴ、モンターノ、そしてイヤーゴが幾人かの兵士達を引き連れて扉から部屋に駆け込んで来た。彼等はオテロとエミーリアの間に入ってまずは呆然としていた。ただイヤーゴの顔は仮面だ。
「ねえあんた」
エミーリアは不吉なものを感じさせる顔で自身の夫に顔を向けて問うた。
「あんたに聞くよ」
「何だ」
「旦那様に奥様が不義を働いているって言ったのかい?」
「違うのか」
「何を証拠に」
「ハンカチだ」
オテロがここで言う。
「ハンカチによってだ。わしがあれにやったハンカチをカッシオが持っていたのだ」
「旦那様、貴方は本当に」
エミーリアはそれを聞いて完全にわかった。それと共に呆れ果てた。
「よくもまあそんな簡単に騙されて。何を見ていたのですか」
「あれの醜い心をだ」
「そう見えるのなら本当に貴方は愚かな方です」
徐々に怒りがこみ上げてきているのを自分でも感じていた。その中でまた言うのだ。
「あのハンカチは」
「おい」
イヤーゴはここでエミーリアに対してすごんだ。
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