第四十二話〜新しき家族〜
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未だに涙が浮かんでいたがそこには悲しみよりも安堵の気持ちが込められていた。
そんな彼女の背を優しく撫でながらライは周りで自分を見ているギャラリーに声をかけた。
「エリオ、キャロ」
「は、はい!」
「なんですか?」
「悪いんだけど、折り紙とか本とかおもちゃになりそうなものを持って来てもらってもいいかな?」
「「分かりました!」」
ライからの頼み事を聞いた2人はすぐにその部屋を後にした。
「ティアナとスバルは厨房に行って子供が食べやすいおやつか軽食を作るように頼んで来て欲しいのだけど」
「分かりました」
「行ってきます!」
ティアナとスバルの2人もエリオとキャロに続くように部屋から出ていく。
「なのは、フェイト。ヴィヴィオと待つのはこの部屋でいいかな?あと、寝るときはこの部屋の布団を使っても?」
「「え、うん。いいよ」」
ライがてきぱきと指示を出すことに少し驚いていた2人であったが、ライの質問には反射的に答えていた。
「じゃあ、なのは。僕は少し部屋の外に出ているから」
「……え?」
ライの言葉が一瞬理解できず、なのはは呆けた声を出す。そんな彼女の反応に苦笑しながら、ライは口を開いた。
「これから外出するのにその格好は少し、ね」
そう言われてなのはは自分の格好を改めて見ていく。彼女はいつもの制服を着ていたのだが、ヴィヴィオがしがみついていたため、その所々にシワがより、乱れていた。
自分の今の格好を理解できた彼女は顔を赤くし、すぐに着替えを取りに行く。ライの方は慌てずに部屋から出て、彼女が着替えを終えるまでヴィヴィオをあやしていた。
そうしていると、フォワード陣の4人が戻ってきてライにおもちゃの入った紙袋を渡し、そして食事の方は一時間後に届けてくれる事を話した。
ライはお礼を言うと業務に戻るように言い、その4人はデスクワークをするためにその場を後にした。それと入れ違いになるように部屋の扉が開き、なのは、フェイト、はやての3人が出てくる。
「ほな、準備も出来たし行ってくるわ」
「うん、ごめんね。わがまま言ってしまって」
「そんな事ないよ。ライ君のおかげで助かっちゃった」
「それにしても、手馴れてたな〜」
「昔は妹もよくこんな感じだったから」
「「「………」」」
ライの答えに3人は顔を曇らせる。その3人の他人に対する思い遣りを感じたライはできるだけ明るい口調で言葉を紡ぐ。
「大丈夫、それは僕にとっては幸せな思い出だから。悲しまなくてもいいんだ」
そのライの言葉で3人はその落ち込んだ表情を少しはマシになった。
そこでライに抱えられたヴィヴィオが、なのはの方に視線を向けていることに
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