第四十二話〜新しき家族〜
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のはとフェイトの他にはやてやフォワードメンバーも見えたためだ。
「えーと、昨日保護した女の子を六課で保護することになったの」
「え?」
初耳のその情報にライは驚く。よく見るとなのはの体で隠れて見えないようになっているが、チラチラと揺れる金髪が見えている。そしてその周りで必死にフォワードメンバーがその娘をあやそうとしていた。
「いっちゃ、やだ〜〜〜〜〜!!」
泣きながらそう叫び、その小さな手でなのはの制服を必死に掴んでいる彼女を見るとなんとなく今の状況をライは察した。
「………ねぇ、はやて」
「うん?この状況をどうにかする妙案でも思いついたん?」
「今日、僕に会わせたい人がいると言ってたけど、それは今日でないとダメかな?」
「……なんとか、都合付けるわ」
ライの言葉を聞いて、ライの言いたいことに気付いたはやては目線でOKサインを出した。
そのはやてのサインを確認したライはなのはの元に近づいていく。
「ライ君?」
近づいてきた足音に気付いたなのははその近づいてくる人物の名前を呟く。ライは自分に任せてと言うように少し頷いて見せる。
ライはなのはにしがみつくその女の子に近づく。そしてなのはの服を握る手を触る。するとこれまで頑なに離すことのなかったその手がするりと外れる。そしてなのはから受け取るようにライはその小さな女の子を抱っこした。
「ふぇっ……」
手が離れた彼女は一瞬悲しそうな声を漏らす。だが、自分を抱っこしているライの顔を見ると泣くのをやめる。その時初めて、ライはその子の左右の目の虹彩色が違うことに気付いた。そのままじっとライの顔を見つめる彼女にライは優しく声をかけた。
「初めまして…………っていうのも変かな?こんにちは、僕はライって言うんだ。君の名前は?」
「……ヴィヴィオ」
キチンと自己紹介してくれたことを褒めるようにライは笑みを深くして、さらに言葉をかける。
「ヴィヴィオはなのはと一緒にいたいのかな?」
「……うん」
「そうか……でもねそれはなのはも一緒だと思うんだ」
「え?」
「なのはもヴィヴィオと一緒にいたいけど、お仕事をきちんとしないとこれからあまり会えなくなってしまうかもしれないんだ。それでもいいのかな?」
「……いやぁ…」
ライの説明を理解し、悲しくなったのかヴィヴィオの声は湿り気を帯びた。そんなヴィヴィオを慰めるようにライは優しくヴィヴィオの頭を撫でる。
「うん。だから、なのはが待っている間は僕が代わりにいてあげるからそれでもいい?」
「!……ふぇ……」
ライの言葉に一瞬驚いた表情を見せたヴィヴィオは、先ほどなのはにしていたようにライにしがみついた。目尻には、
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