暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン〜魔術士と呼ばれた破錠者〜
1 悪徳商法、俺は悪徳商法を見たbyエギル
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まさかと笑い飛ばすシラにキリトはどうしたものかと諫めにかかる。

「容姿といい、やることといい、強さといい、コツとかないのか?」

キリト押してそう言わしめる存在、シラ。アスナは今日初めてまともに話した人物へと身震いする。
日本人が多い中で注目を集める穢れ無き白。それはまだ外見的特徴というだけ。二つ名がつく以上攻略組であることは想像に難くない。
この剣のみによって生きなければならない世界にて魔術師という名を抱く、その特別さ――異様さと言うべきか――が彼の異端性、そして強さを端的に表しているのだ。

「コツは経験ですね」
「鬼か。これ以上どうやって戦えって言うんだよ!」
「わざとアラームトラップに引っ掛かるとかどうでしょう」
「鬼だ!」

アスナは思う。話すかぎりただの普通の少年なのにと。

「話し方が変わってる気がするけど」
「ロールプレイってやつなのか、元々ああいう話し方なのかどうだかな」
「私にはわからないよ」

無理なものは無理。アスナはいつかシラ自身が語るだろうと自己完結しておく。
現実リアルについて言及しない。それはネットゲームにおいて基本的な規則――特にこの世界においては暗黙の了解――だ。
見切りを付け、未だに戯れあっている二人へ声をかける。

「二人ともギルドには入らないの?」
「ギルド?」
「ギルドですか?」

かけられた言葉にキリトは何かを思い出すよう顔を伏せる。シラはといえば疑問の表情をすぐに引き締めた。

「ギルドはちょっとな」
「私も遠慮したいですね。戦闘中に気を使いたくないです」
「ずいぶんな自信ね」
「初めからずっとそんな感じだったぞ、そいつは」

拒否とエギルの補足を聞き、アスナはやれやれとため息をつく。

「いいわ。なら二人ともしばらく私とパーティー組なさい」
「な、なんだそりゃ」
「お断りします」
「君たちは良くても私には君たちの強さを確かめる必要があるの」

血盟騎士団副団長としてね、と最後に付け加える。
それはもはや決定事項通達発言である。
キリトが慌てて立ち上がる。それにあわせてテーブルが微かに揺れた。

「ギ、ギルドはどうするんだ」
「私のギルドは別にレベル上げノルマなんてないし」
「護衛は」
「今日みたいに撒いてくるし」

そんなやりとりを続けるのを横目にシラはエギルに話を振る。

「思っていたよりもお転婆というか」
「ありゃキリトがいるからだ」
「なるほど」

そこで不意にシラの指が動く。
それはSAOプレーヤーなら馴れ親しんだ動作。即ちウインドウを開く動作だ。

「こんなとこで開いて何する……商売か」
「ええ、そうですよ」

トレード申請が飛んでき
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