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銀色の魔法少女
第六話 対決
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がない!」

 とは言っても、実際は結構ギリギリだった。

 今の私は言わば待機モード、遼とユニゾンして初めて本領が発揮される。

 この鎧も魔力弾を防ぐとこはできても、アイツの全力の斬撃を防ぐことは多分できない。

 さっきの女の子が可愛く見えるほどの(実際可愛かったけど遼には及ばない)バカ魔力、あれを集中させれば私の鎧なんて簡単に砕けるはずだ。

 けれど、実際にそれをすると防御が著しく低くなるし、第一あの動きから察するにど素人、私が負けるはずはない。

 だが、奴に決定打を与えていないものまた事実。

 私は防御力は随一だけれど、攻撃力はそうでもない。

 それに私はデバイスを持っていないため、こうして素手で戦うことになっている。

 今まではそれでもよかったが、今回の相手にはそれが通じない。

 どんなに隙をついてもシールドではじかれるし、全力で殴っても受け止められる。

 おそらくあの銃剣が彼のデバイス、あれがサポートしている限り隙はない。

 そして正面から殴っても受け止められるのは、単純にアイツの筋力が高いからだと思う。

 まさに八方塞がりなこの状況に、女神の声が私に語りかける。

『クリム! 誰が突入して行ったか分かる?』

 私の可愛い遼の声、これがあれば後十年は戦える。

『はい、どうやら少年のようです』

『少年? そいつも管理局員なの?』

 少し考える。

『いえ、話を聞く限りでは違うようです、これからいろいろと聞き出そうと思いますが――』

『うん、ちょっと待って! 今なんて言ったの!』

 ? 

『これからいろいろと話を』

『その前!』

『話を聞く限りでは、ですが?』

『…………、ねえ、今どこで何をしてるの?』

『只今、神社で少年と交戦中です』

『…………ねえ、私来ないでって言ったよね?』

『あ、えと、その』

 私が慌てたところにアイツの剣が襲いかかるが、ギリギリ回避成功、今のは危なかった。

『いいから! 急いで離脱! ジュエルシードの回収が終わってるなら結界も解くこと! いい!』

『了解しました!』

 女神がメデューサに堕ちるくらいの威圧に負け、右手に黒い球体を作る。

「お、新技か」

「ええ、残念ながらあなたを殺すのはまた今度ということで」

「は、それって――」

 彼が何か言う前に私はそれを握りつぶした。

「な! 眩しっ!」

 そう、これはただ光るだけの魔法。ダメージは全くない。

 けれど、逃げるにはピッタリの魔法だ。

 彼の目がくらんでいるうちに、私全力で逃げ出した。



side なのは

「何だったんだろうね
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