暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
無印編 破壊者、魔法と出会う
無印〜A's 空白期
22話:男子小学生と文学少女
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に似合わず家庭的だなぁ…。そんな風に思っていると、台所から二つの皿を持った門寺君が現れる。

「できたぞ。ちょっと自慢の一品」

そう言ってテーブルに皿を置く。
その上にあるのは、ドーム状に乗せられたごはん達。その中には黄金色に輝く卵もある。
そう、それは何処にでもありそうなチャーハンだった。ただ、所々赤みを帯びている。

「門寺君、これは?」
「俺特製、キムチチャーハン。冷蔵庫の中にある材料でできるものを作ってみた」

ほい、と私に向けレンゲを渡しながら門寺君は私の疑問に答えてくれた。

「……なんか不安なんやけど…」
「なんだそれ。まずい飯でも作ったと思ってんのか?」
「いや、見た目に反して…ねぇ?」

先程思った事をそれとなく言うと、門寺君は不満そうに顔をしかめる。

「いささか心外だな。少し精神的に効いたぞ」
「あ、ご、ごめん」
「いいから。そこまで疑うなら食ってみればいい」

確かにそうや。疑うぐらいなら食えばいいんや。
そう思った私は受け取ったレンゲでチャーハンをすくい、口に運ぶ。

…………これは…!

「おいしい……」
「そうかい。どうやら口に合ったようでよかった」

頬杖をつきながら少し不機嫌そうに門寺君は言う。
確かにおいしい。塩加減とか、卵の柔らかさとか、キムチのピリ辛さとかが……絶妙でおいしい。

「……大丈夫か?意識ありますか?」
「へ!?あ、あぁ…大丈夫や。ちょっと予想外すぎて…」

門寺君の声で思考から戻ると、またチャーハンを口に運ぶ。

「ほれ、水もあるからな」
「あ、ありがと」

一口、また一口と食べていると、いつの間にか皿の上に何もなくなっていた。

「ふぅ。ほんと、おいしかったわ〜。ごちそうさま」
「お粗末様でした」

というと、門寺君はいつの間にか食べ終え空になった自分の皿と、私の皿を持って台所へと向かう。

「あ、洗い物なら私もやるのに!」
「いいからいいから。お前はそこでじっとしてろ」

しばらくして洗い物を終えた門寺君が台所から出てくる。

「ありがとな、門寺君」
「あぁ。まだ時間あるし、軽く話そうか」

そう言って車いすのハンドルを掴み、ソファーの近くまでやってくる。

「さてと。お嬢様、少し失礼」
「え?」

いきなり何を?
そう聞こうと口を開こう思った時に、門寺君が私を抱きかかえた。それも私の足への負担を考えてか、片腕を膝裏に、もう片方を首にまわして抱える、いわばお姫様だっこや。

「へ!?ちょっ!?」
「まぁまぁ、動かないで動かないで。すぐ済むから」

そのまま門寺君は私をソファーの上に置いて、自分は私の隣に座った。

「ふ〜、久しぶりだからか、以前より手間がかかった
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