暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
無印編 破壊者、魔法と出会う
無印〜A's 空白期
22話:男子小学生と文学少女
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れか」
少女が分かりやすく指示してくれたので、すぐに目的の本を取り出すことができた。
その本を少女に渡そうと本人を見て、一瞬思考する。その結果、俺はその本を俺が持つ本の上に置いた。
「え…?」
「席、どこがいい?そこまで持っていくけど」
「あ、はい!ありがとうございます!」
俺の言葉に対し、少女はうれしそうに笑顔を見せる。その時、俺はある事を思い出した。
(この子…そうだ、あの時の…!)
そう、その少女こそあの時……一ヶ月前に勃発していた事件中に、俺が怪人の攻撃から守った、あの車いすの少女だった。
「私、『八神 はやて』と言います」
「俺は門寺 士だ」
簡単に挨拶を済ませ、俺は少女―――もとい八神の車いすの横にいすを持ってきて座る。同時に一緒に置いた本の一番上にある本を、八神へ手渡す。
「ありがとうございます。ほんま、助かりました」
「別にいいさ。俺がしたかったことだからよ」
俺は八神のお礼の言葉にそう答え、背中をいすに預ける。
「それよりも、俺には敬語じゃなくていいぞ。見る限り同年代ぐらいだし」
「え…?失礼ですが、今年いくつですか?」
「俺は九才だが」
俺がそういうと八神は大きく目を開けた。
「え?同い年!?」
「あ、本当に同年代?」
そこで数秒の沈黙が俺達の間に流れる。
そして先に反応を見せたのは、八神の方だった。
「はぁ〜…なんか変に緊張してたんやけど…少し年上だと思うとったから」
「それは悪かったな」
車いすの背中を預け、天を仰ぐようにため息をつきながら天井を見る。俺はそれを見ながら、また頬杖をつく。
「それじゃ、そうさせてもらうわ」
「おう」
俺はそれをそれを最後に持ってきた本に意識を集中させようとすると、何かに気づいた八神がまたしゃべりだす。
「あ、その本おもろいやつや」
「ん?読んだ事あるのか?」
「もちろんや!私はここの常連やからな!」
トンッと胸を張りながら拳を当てる八神。
「そうか、お前もか。俺もよく来てたんだけど、今まで会わなかったのが不思議な位だな」
「そうやねぇ」
「なんかおすすめの本とかあったりする?」
「あ、それだったらいいのがあるよ!」
と、八神はそういうと車いすを動かそうと手をかける。
「あ〜、いいよいいよ。今はこっち読みたいから題名だけでいいよ」
「そう?じゃあいいけど、いいか?」
「おう」
「私のおすすめの本の題名は……」
必要なのかどうか分からない間を数秒置き、八神は俺を指差し宣言する。
「―――『天道語録』や!」
「………はい…?」
八神の一言に
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