第九章 双月の舞踏会
第一話 朝食会
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ルイズが後ろを振り向くと、そこには腕を組んで壁に寄りかかったロングビルがいた。
「さっきから聞いてたけど、何をそんなに知りたいのか言ってくれなきゃ教えられることか教えられないことか分からないからね?」
ロングビルの問いに、セイバーはルイズたちを一人一人見回すと最後に士郎を見下ろした。
「そうですね。それではまず―――」
士郎の前で仁王立ちするセイバーが冷徹な視線をルイズたちに向ける。
圧力を感じる程の強さを持つ視線を受け、ルイズたちの顔が険しく歪む。
何を聞く気だと構えるルイズたちに、セイバーはゆっくりと口を開くと。
……ぐぅ〜〜……。
「―――今日の朝食は?」
「「「「「知るかッ!!」」」」」
「っんぐんぐ……はぐはぐ……んっん……っもぐっ……っっ……」
セイバーの一言から、士郎の公開処け……尋も……話し合い? から急遽朝食に変更となった。この人数では居間では狭過ぎるとのことから、朝食を取る場所は庭にと移動することになった。
痺れる足を引きずるように居間を後にした士郎は、これ以上セイバーの機嫌を損ねないよう急いで料理を始めた。
ティファニアが家の中から全員が座れる程の大きな一枚の布を取り出し家の前に広げていると、家の扉から士郎が現れた。広げた両腕に片腕に三皿ずつ、士郎は合計六皿の大皿を両腕に乗せたいた。士郎が持った大皿の上には、文字通り山盛りの料理があった。
朝日に照らされ輝く下生えの上に広げられた布の真ん中には、当然のように堂々と正座をしているセイバーが瞑想するかのように目を伏せている。
士郎はセイバーの前を中心に、手に持った大皿を広げていく。
気を効かせたシエスタが家の中から持ってきた小皿を全員に配ると、広げられた料理を囲むように全員が布の上に座り。
青空から降り注ぐ暖かな日の光を浴び、早朝の爽やかな緑の香りを感じながらの……朝食会が始まった。
「……で」
「はぐはぐ、もぐもぐ……んっんっん〜……んぐ」
「あんたは何時まで食べてるのよ」
ルイズがぽっこりと膨らんだお腹を撫でながら、未だにもぐもぐと口を動かすセイバーにジト目を向けた。
士郎の用意した料理は明らかにここにいる人数―――八人にしては多すぎる量であり。下手すればその倍の人数がいても大丈夫な程の量はあるように見えた。
その証拠に士郎が用意した六皿の大皿はその半分も減ってはいない。
セイバーを除く全員が、膨れたお腹に手を置いて未だ食事を続ける食いしん坊を呆れた目で見つめている。
「んく……何を言っているのですか? まだ料理は残っているではありませんか。食べ物がまだ残っているのに
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