序章 僕の選択
第二話 ログアウト不可能!?
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でた。
「ま、今日はゲームの公式サービス初日だかんな。こんなバグも出るだろ。今頃GMコールが殺到して、運営は半泣きだろうなぁ」
「まぁ、それもそうだけど...クラインさん、いいの?さっき五時半にピザの宅配頼んだって...」
僕が疑問に思ってたことを呟くと、キリトがうんうん、とうなづく。
「うお、そうだった!!」
目を丸くして飛び上がるその姿に少し吹き出しそうになるがこらえる。
そしてキリトが立ち上がり、やべえオレ様のアンチョビピッツァとジンジャーエールがぁぁああ! とか叫んでいるクラインさんの傍に歩み寄った。
「とりあえずGMコールしてみろよ。システム側で落としてくれるかもよ?」
キリトが助言する。
しかし、
「試したけど、反応がねぇんだよな...。ああっ!もう5時25分じゃん!二人とも、ほかにログアウトする方法ってなかったっけ?」
...知らない。
少なくとも、僕は、そんな方法は知らない。
ログアウトするならメニュー画面の右一番下のログアウトボタンをタップし、確認のダイアログにyのボタンを押せばいい。
それが常識だったし、ほかのログアウト方法など、どこにも書かれてなかった。
まぁ、自分の意志では、だけど。
「無いよ、クラインさん。自発的にログアウトするには、なくなっているログアウトのボタンを押すしかない」
「俺も同じだ」
僕の意見にキリトが乗っかる。
キリトは間違いなく、一番やりこんでるし、こういうのを一番知ってるかもしれない人だろう。
そのキリトが知らないってことは...
「んなバカな...ぜってぇ何かあるって!」
僕とキリトの言葉を拒否するようにわめき、クラインさんは突然大声をだした。
「戻れ! ログアウト! 脱出!」
...当然何も起こらない。SAOにはそういうボイスコマンドは実装されていない。
それでも、あれこれ唱え、しまいにはぴょんぴょんジャンプし始めたクラインさんに向かって、キリトが話しかけた。
「無駄だ。クライン。マニュアルにもその手の緊急切断方法は一切載っていなかった」
「でもよ...だって馬鹿げてるだろ! いくらバグだって、自分の部屋に...自分の体に自分の意志で戻れないなんてよ!」
くるりと振り向き、茫然とした顔でクラインさんが叫ぶ。
それはぼくも同感だ。
やっぱり、おかしい。
「おいおい、ウソだろ、信じらんねえよ。今、ゲームから出られないんだぜ!俺たち!」
わははは、とやや切迫した響きのある笑い声をあげ、クラインさんが早口で続けた。
「そうだ。マシンの電源を切りゃいいんだ。それか、頭から《ギア》を引っぺがすか」
ここにはない、現実
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