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万華鏡
第三十三話 合宿の終わりその三

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「神戸にはないからね」
「昔大阪にはあったらしいな」
 美優がここで大坂のことを話した。
「大分昔らしいけれど」
「それ私達の生まれる前よね」
「住吉の辺りとかよね」
「ああ、そう聞いてるけれどな」
 美優はこう四人にも話す。
「もうないよな」
「残念よね」 
 里香もここで言う。
「大阪からなくなったのは」
「そうだよな、路面電車なあ」
「美優ちゃんもいいと思うわよね」
「ああ、風情があってな」 
 美優も目の前の路面電車を見ている、そして言うのだ。
「いいよな、あれに乗って町の中を移動するって面白そうだな」
「そう思うでしょ。私路面電車好きなのよ」
 里香は自分の好みも話した。
「長崎に行っても乗ったわ」
「ああ、里香ちゃん路面電車好きだったんだな」
「鉄道自体が好きだけれど」
 つまり鉄女だというのだ。
「路面電車もなの」
「成程なあ」
「今回は路面電車乗れないのね」
 里香はかなり残念そうに述べた。
「乗りたいけれど」
「今回それも我慢してね」
 近くにいた若い女の先生が行って来た、吹奏楽部の顧問の先生だ。
「バスで見回るから、市街地は」
「わかりました」
「また今度の機会にしてね」
「自分で広島に行ってなんですね」
「ええ、そうしてね」
 それでだというのだ。
「あの路面電車に乗ってね」
「わかりました」
「八条鉄道だと八条駅からも一直線だから」
 広島までというのだ。
「次の機会にね」
「行けばいいんですね」
「八条駅は特急も止まるし」
 八条鉄道のその特急である。
「そこから広島に行けるわ」
「そうですね、特急ならですね」
「八条駅から一時間位ですか?」
 五人は先生の話を聞きながらまた言った。
「それ位で着きます?」
「行ったことないですけれど」
「一時間ちょっとね」
 それ位の時間で着く、先生は話した。
「それ位よ」
「大体奈良まで位・・・・・・もっと近いですね」
 里香は先生の言葉から八条鉄道で行く距離を考えて言った。
「奈良までならもっとかかりますから」
「奈良までは大阪から乗り換えないといけないからね」
「そうですね、もっとかかりますね」
 八条鉄道奈良線にだ、同じ八条鉄道といっても線が違うと乗り換えなければならなくなるのだ。
「もっと」
「そうでしょ、けれど広島まではね」
「一直線ですね」
「本当にね」
 それこそ寝ていても着く、寝過ごしは論外だが。
「だから夏休み広島まで行くこともあるから」
「先生もですか」
「よくここに」
「野球の応援でね」
 それでよく来るというのだ。
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