第三幕その六
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にしないで」
「左様ですか」
「閣下」
彼女達の前ではイヤーゴがロドヴィーゴに恭しく一礼していた。彼の前ではあくまで実直な武人なのだった。その素顔は決して見せはしない。
「お久し振りです」
「君も元気そうだな」
「はい」
ここでは親しげな話が交えさせられた。
「ところでカッシオ君は?姿が見えないが」
「総督の御機嫌を損じまして」
「ううむ。それはまた珍しい」
オテロが機嫌を損ねているということがだ。彼の中ではオテロはあくまで実直な軍人なのだ。
「閣下」
「奥様」
デズデモーナが出て来た。
「私はお許しがあると思っています」
「何だと」
それまでロドヴィーゴが手渡してくれた公文書を見ていたオテロの顔が不吉に震えた。
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