第三十三話 合宿の終わりその二
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「そうしてくれ」
「じゃあ旅行で、ですね」
「今以外に」
「そうだ、今は我慢してくれ」
そうしてくれというのだ。
「わかったな」
「わかりました、じゃあ今は広島市をですね」
「巡ってですね」
「広島城も」
「広島を学ぶことだ」
先生は強い言葉で言った。
「わかったな」
「はい、わかりました」
「じゃあ工場も巡ってですね」
「そこも行って」
「後お昼もあるからな」
先生はにこりと笑って最重要課題について話した。
「カキフライ弁当だ」
「何かここでも牡蠣ですね」
「広島って牡蠣とお好み焼きがどうしてもつきますね」
生徒達はカキフライ弁当と聞いて先生に返した。
「カープとですね」
「もうセットですよね」
「まあそう言うな、広島の牡蠣はどんどん食べろ」
遠慮せずにだというのだ。
「実は今かなり余っている」
「えっ、牡蠣がですか」
「余ってるんですか」
「この合宿で牡蠣を注文したが桁が一つ多かったのだ」
今話す衝撃の事実である。
「それでとにかく余っていてな」
「俺達牡蠣食わないといけないんですね」
「まだまだ」
「今の時点でかなり食べているがまだ食べてくれ」
先生はハッパもかけた。
「カキフライの牡蠣も相当多いからな、ついでに言うと御飯はお代わり自由だ」
「ううん、それじゃあ」
「お昼も頑張ります」
こうした話をしてだった、一行はフェリーで広島に着いた。そして予約していたバスに分乗し広島市街を見て回った。
その中でだ、琴乃は己の席から広島の市街、デパートやビルが並ぶそこを見てそしてこう言ったのだった。
「何か色々なものがあってね」
「ええ、そうよね」
「行きたくたくなるわよね」
景子と彩夏が応える。
「神戸や大阪と同じで」
「楽しそうな街よね」
「呉より大きいしね」
呉とは人口が違う、伊達に中国地方最大の都市ではない。
「そういえば政令指定都市だったわよね」
「そうよ。ずっと長い間中国地方で唯一の政令指定都市だったのよ」
ここで里香が話してきた。
「広島はね」
「元々それだけ大きな街なのね」
「そうなの、広島はね」
「原爆だけじゃないっていうのは本当なのね」
「原爆を落とされる以前から中国地方で一番の街だったから」
それだけの産業の地盤があった、そして今もあるというのだ。
「広島はね」
「そうなのね」
「私も実は広島っていうと原爆っていうのは偏ってるって思ってたの」
里香は琴乃達に自分のこの考えを話した、彼女もバスから広島の賑やかな市街地を観ている、街はかなり栄えている。
「それだけじゃないって」
「そうね、見てるとね」
「いい街よね」
「そう思うわ、あとね」
「あとって?」
「広島って路面電車もあるのね」
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