第四十一話
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第四十一話 会う前に
華奈子と美奈子は塾に着いた、するともうそこには四人が揃っていた。
六人のリーダー格である梨花は二人にこう言って来た。
「ねえ、今日だけれど」
「先輩とよね」
「顔合わせになるわね」
「そうよ、だからね」
それでだとだ、梨花は二人に真剣な面持ちで語る。
「ちゃんと会おうね」
「ちゃんとって。そんなに失礼なことをする必要もないじゃない」
華奈子は梨花の今の言葉に首を少し傾げさせて返した。
「どんな人でも普通にね」
「授業の後で。今日は今日子先生が先生だけれど」
そして六年の方は今田先生となる、二人の先生がそれぞれの教室で学年単位で教えるのがこの塾なのだ。
「六年生の人達のところには今田先生が行かれてるから」
「それで授業の後によね」
「そう、歓迎パーティーを開くのよ」
「お菓子とジュースがたっぷりあるそうよ」
美樹もここで二人に話す。
「だから楽しみにしててね」
「私実際に今から凄く楽しみなのよね」
赤音はにこにことして言う、お菓子とジュースが嫌いな子供は滅多にいないが赤音にしてもそれは同じなのだ。
そして春奈もだ、こう二人に話す。
「パーティーはリビングでするから」
「このお屋敷のリビングなのね」
「もう舞台の設定も出来ているみたいよ」
「みたいって?」
「先生達の使い魔達がしてくれたから」
先生達の使い魔は二匹どころではない、それぞれ何十匹、何十種類といてかなりの力を持っているのだ。その使い魔達がパーティー会場をセッティングしたというのだ。
「もうそこは出来てるらしいの」
「じゃああたし達は授業の後で出るだけね」
華奈子はここまで聞いて目を二三回瞬かせてから言った。
「どんな先輩かわからないけれど」
「悪い人じゃないらしいわ」
このことは美樹が話した。
「だから安心してね」
「その話はもう聞いたけれどね」
「それでも不安なの?」
「不安っていうかね」
華奈子は首を捻りながら答えた。
「どんな人か全くわからないのが」
「それが、なのね」
「不安って言ってもいいし心配と言ってもいいし」
言葉を選びながら答えていく。
「それでいて期待していて楽しみでね」
「そんな気持ちなのね」
「そうなの」
こう美樹にも言う華奈子だった、そうした話をして言うことは。
「まあ今は授業に専念して」
「それからね」
考えても仕方ないからだ、華奈子は考えをそちらに集中させることにした、それで今は実際に授業に専念するのだった。
第四十一話 完
2013・5・30
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