第18話 お見合い騒動
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こっちを見ている。
コッチミンナ。
と言ってやりたい。
一通り話して鬱憤を晴らしたのか、満足そうな顔で木乃香さんが携帯をこちらに渡す。まだつながっているようだ。
「はい、変わりました。暁です」
人前で名前を告げたくなかったので、小声で名乗りながら電話を替わる。
少しの確認事項を詠春殿と確認して、黒服の人と替わって欲しいそうなので、木乃香さんに聞こえないように小声で「関西呪術協会長の近衛詠春殿が話しがあるそうです」と告げて、黒服Aの人に携帯電話を渡す。
いかにも謝罪してます、という感じで、ペコペコしながら黒服Aが携帯電話で話す。
時折、詠春殿が携帯電話から漏れているのは、大声で怒鳴っているからだろうか?
結局、「ご迷惑をおかけしました」と謝罪しながら、黒服Aが携帯を返しに来る。
返って来た携帯で「一件落着ですね」と詠春殿に話すと乾いた笑いしか返ってこない。
この件が及ぼす今後の影響を考えると頭が痛いんだろう。
「そうそう桜咲さんもいるんですが、替わりますか?」
ついでに追い打ちをかける。
「刹那君が?」
「えぇ。黒服と交じって、木乃香さんを庇うワタシに剣を向けてきました」
嘘は言ってないよ、嘘は。
「それは………。きっとお義父さんに言いくるめられたんでしょう。すみませんでした。キツくお義父さんには言っておきます」
そう言って、桜咲さんとは話さず、電話を切る。
まぁ、桜咲さんは電話している間に黒服達と共に出て行ったので、どっちにしろ替わることはできなかったんだが。
「なぁなぁ、サギ先生。お父さまと知り合いだっんか?」
「えぇ、まぁ。お世話になっている家が近衛さんの家の下請けみたいなもので、その縁でいろいろ(迷惑かけられてます)」
「そうなんかー。そや、ありがとなー。嫌ならもうお見合いなんかさせんって、お父さまが言ってくれたわー」
「そうですか。良かったですね。まぁ、電話をかけただけ何で大したこともしてませんよ」
「それでもや。ほんとにありがとなー」
「いえいえ。そうだ。せっかくそんなにきれいなんだから、写真を取って詠春殿に送ったらどうですか? どうも何も聞いていなかったと言うことは、以前のお見合い写真なんかも詠春殿に届いてないんじゃないですか?」
これから関東関西両方面でこの件について対応しなければならない詠春殿に同情して、愛娘の可愛い姿を送ってやろうと仏心を出す。
「そやなー。当分こんな格好する機会もないしなー。ほな、サギ先生頼んでもええかな?」
「いいですよー。と言っても携帯で撮るぐらいしかできませんが」
「あははー。ええよ、ええよ。充分や」
てな感じで
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