第18話 お見合い騒動
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の事情です。関係ない方はお引き取り下さい」
リーダー格であろう黒服Aが、慇懃無礼な態度で木乃香さんの身柄の引渡しを要求して来る。
「いや、普通に近衛さんは嫌がっているんですけど?」
「そうや! そうやー!!」
背中から顔を出して木乃香さんも同意する。
「「「木乃香様(お嬢様)!?」」」
「大体、あなた方が本当に近衛家の人間なのかは、こちらで判断しようがないんですが」
「な、なにを! 我々は本当に!!」
黒服Bが慌てた様子で抗議をし、木乃香さんに対して自分達の潔白を説明するように目で訴えている。だが木乃香さんはニコニコと笑いながら、首を傾げて知らんぷりをしている。見かけによらず、けっこう黒いのか?
「ほら、ね」
「「「な!?」」」
とまぁ、バカらしいやり取りを交わすして、時間を稼ぐ。
「もういい。お前らは下がっていろ」
いい加減しびれを切らしたのか、護衛のハズの桜咲さんが竹刀袋から野太刀を取りだし、こちらに向かって来る。
「サギ先生。そろそろ遊びの時間はお終いです。木乃香お嬢様をお返し下さい」
「せっちゃん………」
見たこともない桜咲さんの真剣な態度に驚いたのか、お見合いをさせようとしている一派に与しているのに驚いたのか、木乃香さんは哀しそうに桜咲さんの名前を呼ぶ。
と、タイミング良く俺の携帯が鳴り始める。
着信音から登録されていない人からの電話だというのがわかる。
「ちょっと、失礼」
桜咲さんに対し右手を挙げて抑え、返事も聞かずに電話に出る。
予想通り、詠春殿からだ。
「もしもし。どーも毎度お世話になっております。はい、おかげさまで楽しい日々を過ごしてますよ(社交辞令)。いえいえ、そんな、滅相もない」
適当に社交辞令を多分に含めた挨拶を交わす。元々詠春殿がしっかりしていれば、オレがここにいることもなかったと思うとまともに対応するのもバカらしくなってくる。
「そうそう、そうなんですよ。今ワタシの横に木乃香さんがいらっしゃります。ええ、そうです。それでですね、実は少し前に、振袖をお召しになった木乃香さんが、黒服、サングラスといういかにもという男達数名に追いかけられているのに、偶然出会いまして。はい、そうです。それで、木乃香さんが仰るに「学園長に無理矢理お見合いをさせられていて困っている」そうなんです。え、そうですか。では変わりますね」
忍義姉さんから穏健派理事経由で説明されているはずのことを黒服達(桜咲さん含む)に聞こえるように話し、木乃香さんと電話を替わる。
「そう。そうなんよー」
などと詠春殿と木乃香さんが話しているのを横で聞きながら黒服達を見ると苦虫を噛み潰したような表情で
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