第18話 お見合い騒動
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と着物を着た大和撫子に声をかけられた。
「………、だれ?」
思わず、そんな疑問が声を出た。美人さんは、リニスや月村姉妹で見慣れてるが、初めて見るような純和風な美人さんだ。
「(見とれてないで、魔力を感じなさい)」
念話と同時にペチペチと頭の上のリニスにはたかれる。
「(魔力?)」
「って、近衛さん?」
「そやで〜」
ネギよりも膨大な垂れ流しな魔力。綺麗な振袖に身を包み、2本のリボンで飾った長い黒髪でニコニコと微笑んでいるのは、近衛木乃香さん。
まさにオレが麻帆良に来ることとなった原因の美少女だ。
「こんにちは、近衛さん。いつも授業ではお世話になってるね。(主に神楽坂と雪広の喧嘩の仲裁とかで)。それで、きれいな格好してるけど、どうしたの?」
「きれいだなんて照れるわぁ………。って、そうやなくて! サギ先生、ウチ逃げな!!」
「え?」
「木乃香さま〜!?」
「どこですか〜!」
近衛さんの言葉に困惑してると、近衛さんを呼ぶ声と共に、いかにもな黒服の方々が走り回っている。
「ん………。アレは? あっ、アカン。はよ、逃げな!」
近衛さんがオレの手を掴んで走り出す。
「えぇ?」
とにかく引っ張られるまま、頭のリニスを落とさないように走って着いていく。
年齢は違えど、鍛えているし、近衛さんが走りにくい着物を着ていることもあって、直ぐに並んで走ることになる。
なので、とりあえず部外者の入りにくい校舎の中に誘導し、適当な空き部屋に入り、落ち着いた頃に事情を聞く。
「え? お見合い?」
「そうなんや。おじいちゃんの趣味でなぁ。いつも無理矢理すすめられるんよ。今日は、お見合い用に冬用の着物を着せられてなぁ。写真を撮らされる所やったんけど、途中で逃げてきてもーた。あ、あとウチは木乃香でええよ。おじいちゃんと一緒だと話しにくいやろうから」
………、あれー?
木乃香さんのお見合いイベントって、ネギが来てからじゃなかったけ?
「ほら、相手の写真もこんなよーけ渡されてるんよ」
そう、持っていた巾着から相手のお見合い写真なんかを取り出して、手近な机に広げる。
「まだウチら子供やのに………。旦那はん決めるなんて早すぎると思わへん?」
そう、アンニュイな雰囲気を漂わせ、オレに告げる。
優しい子だから、表だって麻帆良での唯一の家族である学園長に逆らえないんだろう。
「(コラ、暁。可哀想と思わないのですか。どうにかしなさい)」
リニスは同じ女性として共感したのか、ペチペチとオレの頭を叩いた後、木乃香さんが座っている机に跳び降り、慰めるようにその手を舐める。
「ありがとな〜。慰めて
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